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スタートアップとは?わかりやすく解説!ベンチャーとの違いは?

スタートアップとは?わかりやすく解説!ベンチャーとの違いは?

近年シリコンバレーやインドのスタートアップがさまざまなイノベーションを起こしています。なかには、一気に大企業に飛躍したり、ユニコーン企業(評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業)も誕生しています。また、日本でも大学在学中に起業する人も多くなり、中小企業庁のデータによると年間起業件数はおよそ50,000社にのぼるとされています。

引用元:起業・創業 ―新たな担い手の創出―

では、実際にスタートアップを起業しようとする方はどのような手順で進めていけばいいのでしょうか。当記事では、わかりやすくスタートアップの立ち上げについて5つのステップに分けてご紹介します。

スタートアップとは

スタートアップと聞くと、だいたいの意味は想像できるかと思いますが、一度きちんと定義について確認しておきたいと思います。また、実際にどのような特徴を備えているのかも詳しくご紹介します。

スタートアップの定義

スタートアップ(start up)は直訳すると、「行動開始」「操業開始」という意味になります。もともと、シリコンバレーから来た言葉だといわれています。

では、スタートアップとはどのような定義をもっているのでしょうか。なんとなく「新しく起業したばかりの駆け出しの企業」というイメージかと思います。およその意味は合っていますが、正しく定義すると、以下の要件が必要です。

  • 新たなビジネスモデルを創出
  • 市場を新たに開拓していく
  • 高い確率で成長し続けていく
  • 社会貢献性を兼ね備えている

逆に、企業の規模や年数、形態などさまざまな会社の状態については全く問われません。スタートアップはそういう意味では、開拓性や成長性を重視しているといえるでしょう。

スタートアップ企業の特徴

スタートアップ企業にはさまざまな種類があります。突拍子もないような企業理念や、少し笑ってしまうような特徴を前面に打ち出している企業も少なくありません。

ここでは、そんな多彩なスタートアップの特徴を3つご紹介させていただきます。

スタートアップの特徴1.開拓者である

スタートアップは後述するベンチャー企業やスモールビジネスなどの用語とは違い、明確な市場を開拓し、新しいビジネスを開発していくという特徴をもっています。

例えば、それまで転職サイトは多く存在していましたが、株式会社ビズリーチはエグゼクティブ向けの転職支援という新たなビジネスモデルを開拓しました。株式会社カオナビは、それまで労務・総務管理といえばその時々に与えられた情報だけが頼りになっていましたが、それらを「人」という観点で統合して、新しい人材管理システムをビジネスモデルとして確立しました。このように、スタートアップの特徴の一つには、社会変革を起こすような新たなビジネスモデルを確立する点が挙げられます。

スタートアップの特徴2.社会に利益を還元し貢献するビジョンがある

スタートアップ企業は、自社の利益を考えるだけではありません。顧客満足度を向上させるのはもちろん、社会全体の利益にも貢献することが必要です。例えば、株式会社ヤプリはアプリ開発の敷居を下げることで、あらゆる企業がアプリのテクノロジーにアクセスでき、人々のモバイルライフをもっと便利に快適にしたいという思いがあります。このようなビジョンをつことがスタートアップとしての土台となっています。

スタートアップの特徴3.短期間で急速に成長を遂げる

スタートアップで思い浮かぶ企業はいろいろありますが、Facebookもかつてはスタートアップのひとつでした。現在は時価総額4639億(2019年2月現在)の超大企業となっています。そのFacebookの創業はいつでしょうか? 実は、2004年2月に、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジで創業されたのです。わずか15年で4600億円もの超巨大企業に成長しています。このように、スタートアップ企業の特徴のひとつに、急速な成長が挙げられます。

以上のように、スタートアップには3つの特徴があります。これから起業を考えている人は、これらの特徴を備えることができるかどうかを基礎に、ビジネスモデルを組んでみると良いかもしれません。

スタートアップ企業が出資を受けるには

スタートアップを起業したいと思っても、最大の問題点は資金です。一時的に貯めていた資金を元手に起業しても、すぐに利益が産まれるのはまれです。

最近では、キャッシュエンジン起業という考え方が広まりました。キャッシュエンジン起業とは、毎月運用していけるだけの費用を捻出できる案件を確保してから、起業する方法です。しかし、案件の確保があったとしても、生活費も含め考えると、起業初期はとても苦しいと思います。

そうしたなかで頼みの綱となるのが、外部からの投資です。そしてスタートアップは主にベンチャーキャピタル(VC,)という投資会社から投資を受けます。

ベンチャーキャピタル(VC)とは

大きく飛躍するであろう起業に対してハイリターンを期待した投資を行う企業のこと。投資だけにとどまらず、経営コンサルティングなども実施することで、企業の成長にも寄与するベンチャーキャピタルも多い。また、経営陣の一員として社外取締役のような形で参画する場合もある。また、ベンチャー企業の株式と交換で投資をし、当該企業が大きくなり、上場した際に、株式を売却することで得られるキャピタルゲイン(株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額)の獲得を目的とするベンチャーキャピタルも増えている。

ベンチャーキャピタルから投資を受けるためには、大手上場企業のように株式を公開しているわけではないため、パソコンで株を買ってもらえば終わりというわけにはいきません。ではどうしたら良いのでしょうか。具体的には、ベンチャーキャピタルにコネクションを作っていく必要があります。そして単にコネクションがあればそれでいいかというと、そうでもありません。ベンチャーキャピタルから出資を受けるには、いくつかの条件が必要です。次にその要件を2つご紹介します。

スタートアップがVCから出資を受けるコツ1.経営者やその仲間が優秀であること

投資を受けるには、その企業が将来上場し、投資先であるベンチャーキャピタルがキャピタルゲインを手に入れることが条件になることがあります。つまりは、将来IPO(株式公開)を前提にしているような、実力ある優秀な経営陣であるかどうかが第一の要件です。

スタートアップがVCから出資を受けるコツ2.「PMF」すると確信が持てること

PMF(プロダクトマーケットフィット)するかどうかという観点が第2の要件です。顧客を満足させる製品を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態を指します。実際にプロダクトを市場に投入したとして、どのくらい成長することができるのかが問われます。経営陣が優秀であっても、プロダクトが既にレッドオーシャンであって、そこまで伸びないと判断されれば、投資計画を見直されることもあります。

以上のような要件を揃えれば、ベンチャーキャピタルから投資を受けることができるのはもちろん、確実に伸びる素晴らしいスタートアップを創業できるでしょう。

スタートアップとよく誤解される言葉の違い

スタートアップとは?わかりやすく解説!ベンチャーとの違いは?の画像1

スタートアップと似ている言葉に、ベンチャー企業やスモールビジネスなどがあります。ここではベンチャー企業やスモールビジネスなどの、スタートアップとよく誤解される言葉の違いをご説明します。

スタートアップとベンチャー企業の違い

ベンチャー企業のベンチャーとは、直訳すると投資家や投資企業、ベンチャーキャピタルのことを指します。しかし、日本ではこれを和製英語として使っており、通常では考えられないチャレンジをする企業や、野心のある事業や起業のことを指しています。ここに、先述したような市場開拓や、高い成長性が見込め、さらには社会貢献性を兼ね備えているとスタートアップになります。 つまり、ベンチャー企業とはスタートアップより広い意味で使われる傾向にあります。

スタートアップとスモールビジネスの違い

では、スモールビジネスとはなんでしょうか。これはベンチャー企業より概念としてはさらに広い範囲となり、新しい小さな会社、小さな起業や事業という意味です。日本では、中小企業などと読んでいる企業の総称に近い概念です。

以上のように似たような概念が存在していますが、スタートアップはそれらの中でも明確な方向性やビジョンを持っている企業で、概念というよりも、より具体的な企業像ということになります。

スタートアップの優良企業3選

スタートアップとは?わかりやすく解説!ベンチャーとの違いは?の画像2

ここまでスタートアップとは何か。そして、スタートアップを創業するには何が必要なのかを説明しました。しかし、具体的な事例を通してみた方がイメージが湧きやすいかと思います。そこで、以下5のスタートアップ企業の会社概要を簡単にご紹介させていただき、スタートアップ特有の社会貢献やビジョンもご紹介します。創業のヒントをぜひ見つけてください。

スタートアップ事例①ユカイ工学株式会社

【会社概要】
代表:青木俊介
設立:2007年12月
事業内容:ロボット/ハードウェア 開発・製造・販売

ビジョン
BUSINESS
”ライフスタイルで活用”されるロボットへの挑戦
製造業や調査・災害支援などの産業用ロボットは日々導入が進んでいます。
ユカイは日々の生活で使われるコンシューマー向けマーケットを切り開く挑戦を続け、より多くの方がユカイになる未来を描いています。

WORK
社員の”妄想”が次世代商品のキーとなる
これからの時代は人の妄想力が新しい価値を生みだす力となります。ユカイは自由な発想で企画してセンセーショナルなプロダクトを実現してきました。
社員は自由な妄想で日々企画を考えています。

引用元:・Y・U・K・A・I・

スタートアップ事例②株式会社識学

【会社概要】
代表:安藤 広大
設立:2015年3月
事業内容:
・「識学」を使った経営、組織コンサルティング
・「識学」を使った従業員向け研修
・「識学」をベースとしたwebサービスの開発、提供
・「識学」関連書籍の出版

ビジョン
識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する 当社は、人の意識構造に着目した独自の理論をベースとしたマネジメント理論である「識学」をより多くの人に知り、活用頂く事を目的に設立致しました。
「識学」は1990年代後半に研究が開始され、今日に至るまで、人間の意識構造についての研究を繰り返してきています。
私は、数年前に「識学」と出会い、これまで多くの方々に「識学」を伝えて参りました。
「識学」のトレーニングを受講された方、また、その組織に所属されている方々が、どんどん良い方向に変化している姿を多く見てきました。と同時に、「もっと早く知っていれば」「中学校の必修科目にすればいい」という、「早くに『識学』と出会いたかった後悔のコメント」も多く頂きました。
株式会社識学の設立のきっかけは、こういった後悔のコメントを多く聞いた事でした。
一日でも早く、一人でも多くの人に、「識学」を伝えるためには、これまでの講師一人一人が個人商店的に展開しているのではどうしてもスピードが上がらない。そこで、会社組織化し、講師の採用、更なるノウハウの蓄積を進めて行く事に致しました。
企業理念である「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」の実現に向けて、役員、社員一同取り組んで参ります。
株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大

引用元:株式会社 識学

スタートアップ事例③スマートニュース

【会社概要】
代表:鈴木健、浜本階生
設立:2012年6月
事業内容:スマートフォンアプリケーションの開発・運営 インターネットサービスの開発・運営

ビジョン:世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける
誰もが発信者となった現代社会において、私たちが日々読むことのできる情報の量は爆発的に増加しています。
一つだけ確かなことは、それらすべての情報を読むことは決してできない、
私たちは読むべき情報とそうでない情報を日々選び取らなければならない、ということです。
そうした環境のなかでも、より多くの人たちが、より良質な情報に出会ってほしい、
さらにそれによって良質な情報の作り手が損をしない社会を作りたい。
その思いで私たちはSmartNewsをつくり、様々な進化を重ねてきました。
世界中の膨大な情報を日夜解析し続けるアルゴリズムと、スマートデバイスに最適化された快適なインターフェースを通じて、SmartNewsは世界中から集めた良質な情報を、一人でも多くの人々に届けていきたいと考えています。

引用元:SmartNews

まとめ

スタートアップ企業の本質は、創業者の理念や成長性などの要素が最も重要だということがわかりました。これからスタートアップ企業を起業される予定のある方は、ビジネスモデルがこの記事で挙げた要件に当てはまるかどうか。そして実際にベンチャーキャピタルなどから投資を受けることができるのかどうかをチェックしてみてください。

企業の教科書
高桑 哲生
記事の監修者 高桑 哲生
税理士法人 きわみ事務所 所属税理士

東京都千代田区にある税理士法人きわみ事務所の所属税理士。
「偉ぶらない税理士」をモットーに、お客さんに喜んでもらえるサービスを提供。
税務処理だけでは終わらない、プラスアルファの価値を提供できる税理士を目指す。

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