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会社設立で気になる決算報告書とは?意味・種類と提出期限をチェック

会社は毎年決算を行いますが、すべての会社は決算報告書(決算書)を提出する義務があります。会社設立の際に、決算報告書という言葉は聞いたことがあるかもしれません。しかし、決算報告書にはいくつか種類があり、提出する期限があるのをご存じですか?会社設立における決算報告書の意味、種類と提出期限を確認しましょう。

会社設立における決算報告書(決算書)の意味は?

決算報告書(決算書)とは、1年間の事業年度を終えて決算の結果をまとめた書類一式のことをいいます。すべての会社は毎期の決算が終わると、税務署に決算報告書と税務申告書を提出する義務があります。

決算報告書と税務申告書には法人税申告書、消費税申告書、地方税申告書など様々な書類が必要になります。決算報告書を作成する目的は、税務署だけでなく、株主や取引先企業、金融機関などに経営状態を報告するためでもあります。

株主にとっては、決算報告書を見ることで、企業が健全に機能しているか知ることができます。取引先や銀行などの金融機関にとっては決算報告書を見ることで、信用度を図ることができるのが目的です。

決算報告書一式

決算報告書一式は以下の通りです。

  1. 貸借対照表(バランスシート、B/S)
  2. 損益計算書(Profit and Loss statement、P/L)
  3. 製造原価報告書(製造業に限る)
  4. 株主資本等変動計算書
  5. 個別注記表

会社にとって、決算報告書は一年の結果・業績を集計した書類です。社内で会計帳簿に基づいて制作することも可能ですが、最低限の簿記の知識が必要です。金融機関から融資を受ける際は、決算書にある数字が評価されため、正確に制作する必要があります。

決算報告書(決算書)を制作するには時間もかかるため、ミスがなく作成するためには、税理士に依頼しないと難しいでしょう。

決算報告書には3つの開示義務がある

決算報告書には3つの開示義務があるため、すべての企業は決算報告書を開示しなければなりません。

▼決算報告書 3つの開示義務

  1. 税務署への開示義務
  2. 上場企業・大会社の開示義務(金融商品取引法)
  3. 特定の株主や債権者から請求があった場合の開示義務

すべての企業は、税務署に決算報告書と税務申告書を開示すると義務付けられています。
そして、金融商品取引法により上場企業・大会社は決算報告書を開示する義務があります。上場企業の決算報告書はよくニュースでも取り上げられており、一般にも公開されます。

ちなみに大会社とは、最終事業年度の貸借対照表上において、資本金5億円以上または負債の合計額200億円以上の株式会社のことです。

株主(議決権比率3%以上)または債権者は、企業に株主報告書の開示を請求する権利があります。決算報告書 の3つの開示義務に従わない企業は罰せられる対象になるため、注意が必要です。

決算報告書の種類

ここからは、決算報告書の種類をみていきましょう。
会社法にて提出が決められている決算報告書は以下の通りです。

▼会社法にて提出する決算報告書の種類

  1. 貸借対照表(B/S)
  2. 損益計算書(P/L)
  3. 株主資本等変動計算書
  4. キャッシュフロー計算書

それぞれを詳しくみて行きましょう。

①賃借対照表

賃借対照表(B/S、バランスシート)は、会社が起業してから企業活動の財政状態を見ることができます。賃借対照表を見れば、資金調達や資産、負債、純資産が分かり、運用状況を把握することができます。

②損益計算書

損益計算書(P/L)は、売上純利益、営業利益、当期純利益が記載され、会社の一定の期間の業績や利益が分かります。法人税の所得計算の基礎となる当期純利益を計算します。

③株主資本等変動計画書

株主資本等変動計画書は、利益を何に使ったかを示す計算書です。すべての会社は株主資本等変動計画書を制作する必要があります。会社の1事業年度の活動状況を確認して、会社の純資産がどのように変動したのか財政状況を把握することができます。

④キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、会計期間における収支と支出を表します。損益計算書や貸借対照表では分からない資金の流れを把握することができます。

個別注記表とは?

個別注記表とは、これまで説明した会社法にて提出する決算報告書を1つの書面にまとめた計算書類をいいます。他にも、決算書の内容を補足する重要な事項などを記載する附属明細書、1年間の事業の概況や会社の状況を記載する事業報告があります。

すべての会社は決算報告書(決算書)を作る義務がある

決算報告書は、収支や資産状況などを株主や税務署などに報告する計算書類です。会社法や税法により、すべての会社は最低でも年に1回は決算を行うことが定められています。事業年度が終了したら会社の利益を計算して、決算報告書を作成する義務があります。

他にも会社法施行規則、会社計算規則などの法令によっても決算報告書を作成して提出する必要があるのです。ただし、中小企業の場合は正確な決算報告書の作成は難しいため、中小企業会計指針により会計基準が簡単になっています。

上場企業、大会社においては、決算報告書は公示する義務もあります。賃借対照表と損益計算書は新聞や様々なウェブサイトに約5年間公開されます。もし、公開しない場合は、役員は100万円以下の罰金が課せられるので注意が必要です。

ニュースなどでよく聞く粉飾決算とは、不正に会計処理を行い、事実と異なる偽の決算書を制作することです。決算書の資産や負債を意図的に水増しして、赤字を黒字に見せかける処理をするため、粉飾決算は違法です。

決算報告書の提出期限は?

決算報告書の提出期限は、事業年度が終了してから3ヶ月以内と定められています。また、法人税の確定申告は、事業年度が終了してから2ヶ月以内です。株主総会では、決算書の内容の報告が行われるため、株主総会の前に決算報告書の制作を済ませておく必要があります。

決算報告書の制作は、会計監査人の監査を受けて取締役の承認を受けます。その後は、株主総会の2週間前までに本社に据え置くことも決められています。株主総会で承認を受けることで、はじめて決算公告として開示されるのです。

法人税法においては、決算報告書は法人税などの税額を決める際に必要になるので、法人税の確定申告の前に作成する必要があります。

決算報告書を作成せずに、法人税の申告を行わない場合は、税務署から催告を受けるので注意が必要です。決算報告書は期限内に適正に作成して、法人税を納付することを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、会社設立における決算報告書の意味、種類と提出期限を確認しました。

会社法や法人税法により、すべての会社は決算報告書の作成をして提出することが義務付けられています。税務署や株主にとっては、決算報告書を見れば1事業年度の活動状況を把握できるのがメリットです。会社に利益があるのか負債があるかを知るキッカケになるのです。

会社設立の際には、決算報告書の意味、種類と提出期限をしっかり理解しておきましょう。

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