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事業計画書とは?融資に必要な、会社設立時に必ず作る書類

『会社設立したい』もしくは『会社を設立した』『けれども事業計画書とは何かわからない』このようにお悩みの方。いませんか?

本記事では、このような悩みを抱えている方に向けて事業計画書とは?何をどう書けば良いのか?良い事業計画書を作るためには?注意点は何か?について、それぞれわかりやすく解説していきます。

本記事を見て、事業計画書とは何かについて理解すれば、融資や投資を得られますし、より一層プロの経営者に近づけます。

事業計画書とは何か?

事業計画書とは以下のようなものです。

  • 企業活動を行う上で必要不可欠な融資を受けるために必ず必要なもの
  • 事業計画書を書くことで事業が成功しやすくなる
  • 事業計画は融資やパートナーへの説明、事業の管理のために必要

企業活動を行う上で必要不可欠な融資を受けるために必ず必要なもの

今ある有名な企業でも、現在進行形で融資を受けています。事業が好調でも、成長するためには融資が必要不可欠です。一例ではトヨタのの長期借入債務は10兆円を超えています。しかし、これはトヨタが債務超過に陥っているというわけではなく、事業が成長するために必要な融資を受けているということです。

考え方を変えると、トヨタは10兆円以上の融資を受けられるだけの信用力のある会社だともいえます。

会社を設立する場合や設立したての場合なら、なおさら融資は欠かせません。事業の運転には資金がかかることがほとんどのためです。

では誰から資金調達をすれば良いのでしょうか。多くは国や銀行、個人投資家から調達します。しかし、事業でお金が必要だからお金を貸してくれと言うだけでは到底貸してもらえませんよね。その時に必要なものが事業計画書です。

融資元や投資家は、事業計画書を見て融資をするかどうかを判断します。具体的には、返済能力を審査されます。

返済の元手は事業から得た収益です。事業計画書では、その事業について収益が見込める根拠を示す必要があります。そのために具体的に何をどのように書けば良いのかは後述します。

事業計画書を書くことで事業が成功しやすくなる

事業計画書を書くことで事業の成功率を上げることもできます。

事業の成功には、収益をあげる仕組み・プロセスを着実に実行することが重要です。事業計画書では収益をあげる仕組みやプロセスを可視化できます。

事業計画書をベースに都度フィードバックを行うことで、事業の成功に大きく近づけます。

事業計画は融資やパートナーへの説明、事業の管理のために必要

もし事業計画書を書かずに事業を進めるとどうなるでしょうか。以下のデメリットが考えられます。

  • 融資を受けられずに事業の運転ができない
  • 従業員や事業パートナーなどの関係者に、事業の説明ができないもしくは説明に時間や労力コストがかかる
  • 現実的でない事業構想のまま事業を進めてしまう可能性が高い
  • 収益計画が打ち立てられていないために、環境変化に対応することが難しくなる

以上のように、融資を受けやすくなるのはもちろん、現実的で根拠のある事業構想・計画を立てられます。また、従業員やパートナーに可視化した状態で説明が可能になり、環境変化に対応可能です。

だからこそ、事業を成功させるためには事業計画書が必須となるのです。

事業計画書は何をどのように書けば良いのか?

事業計画書は、融資や事業の管理など、事業を成功させるために必要であることをご理解頂けたかと思います。

これからは、実際に何をどのように書けば良いのかをわかりやすく解説していきます。

以下で挙げる内容は、融資を受けるためや、現実的な事業構想を組み立てるため、事業構想の可視化のために必要な事項です。ポイントを押さえてより良い事業計画書を作りましょう。

創業者のプロフィール

事業の計画書なのになぜ創業者個人の情報が必要なのか。このような疑問を持たれた方もいるかと思います。しかし、融資や投資をする側から考えると、必要な情報です。

『利子つけて返すからお金を貸してくれ』と言われたら、本当に返してくれるのだろうかと考えるかと思います。

同じように、融資や投資をする側からしても、事業を行う人がどのような人なのか?を知りたいのです。

具体的には、創業者の経歴、事業経歴、保有資格、知的財産権などです。

日本政策金融公庫の融資を申し込む時に提出する書類(創業計画書)には「経営者の略歴等」の項目があります。ここでは、経歴職種や役職、身につけた技能を記載するように書かれています。

事業ビジョン

あなたの事業は何のために行うのか?事業を行ってどうしたいのか?を明確にします。

事業ビジョンを書くポイントとしては以下が挙げられます。

  • 融資・投資を受けやすくする
  • 企業の事業に対する理解・共感を得る

事業ビジョンを書けば、以下のメリットや効果が見込めます。

例えば、環境問題に取り組む企業に融資や投資には金利を低くするなどの優遇をする制度があります。

企業の環境問題への取り組みを勘案した融資のことを言います。世間での環境問題についての意識が高まるとともに、金融機関での取り組みも活発化しています。環境問題への取り組み状況により金利や融資額が優遇されます。

出典:auカブコム証券

このように、融資や投資にあたって事業ビジョンが効果的になる場合もあります。

そもそも、収益を得たいから事業を行うことはもちろんです。しかし、その付加価値として、何らかの形で社会貢献に寄与する事業は、企業として評価されます。

事業ビジョンを明確に可視化することで、創業者自身も再認識でき、従業員やパートナーにも事業の価値を共有することができるのです。

事業の概要

事業計画書を見る融資元や従業員などのパートナーは全員が事業計画書の内容を全て見るでしょうか。より深い理解が得られるため、創業者からすると理想的ではあります。しかし現実的には不可能です。

そのため、事業がどのようなものなのかを示す概要が必要です。

事業の概要は以下のポイントを押さえましょう。

  • 事業の対象顧客(誰に提供するのか)
  • 事業の製品・サービス(何を提供するのか)
  • 事業モデル(どのように提供するのか)
  • 以上の3点を踏まえて図解(一目でわかるか)

これらのポイントを押さえることで、より簡単に、短時間で、多くの人に事業を理解してもらえます。

事業の製品・サービスの強みや特徴

事業を行うにあたっての”What”を示します。いくら創業者のプロフィールや事業ビジョンが素晴らしくても、具体的な”What”がなければ、読み手は『うん。それで?』となってしまいます。

事業のWhatを書く時には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 製品・サービスの名前
  • 製品・サービスの特性(スペック)
  • 製品・サービスの特徴、強み(類似品・サービスと何が違うのか)
  • 顧客のメリット(何が嬉しいのか)
  • 特徴、強みの根拠(推薦文、調査結果、利用者の感想など)

どこで誰とどのように勝負するのか市場環境や競合、戦略について

どんなに優れた製品やサービスも、需要のない場所で提供しても売れません。

既に競合がブランディングを確立しており、ファンから根強い人気を博し、大きなシェアを得ている場合も、参入は非常に厳しいものです。

優れた製品やサービスを知ってもらわないことには誰からも買ってもらえませんし、消費者や利用者が支払っても良いと思っている価格より高ければ、多くの人には買ってもらえません。

そのため、どこで誰とどのように勝負するのかといった具体的な戦略を読み手は知りたいのです。

事業の市場環境や競合について書く時には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 参入市場の規模・ボリューム
  • 参入市場の近況
  • 参入市場の見通し
  • 参入市場の潜在ニーズ(付加価値を加えれば欲しい人)
  • 競合他社の戦略
  • 参入市場における自社事業製品・サービスのポジション(どのような顧客にどのようなメリットを提供するか)
  • 見込み顧客のプロフィール
  • 拡販方法(どのように見込み顧客に知ってもらうか)
  • 製品・サービスの価格
  • 製品・サービスを提供する媒体

ポイントが多いですが、これらを明確にすることで、どこで誰とどのように勝負するのか、この方法に優位性があるという根拠を明確にして効果的に融資元へのアピールが可能です。

また、事業の収益の根拠を、環境を踏まえて理論的に構築することで環境の変化にも対応できるベースにできます。

どのように製品やサービスを作るのか、生産方法や仕入れ先について

ビジョンや製品・サービスの強み、市場での戦い方がいくら素晴らしくても製品・サービスが作れないと意味がありません。そのため、具体的に製品・サービスを作る方法を明確にする必要があります。

生産方法や仕入れ先について書く時には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 製品・サービスを作るために必要な要素(部品・設備・人など)
  • 必要な要素の調達方法(どこから、いくらで)
  • 調達先の概要(状況、数量、シェアなど)
  • 製品・サービスを作る体制(要素から製品・サービスを作るまでの流れ)
  • 製品・サービスを作るために必要なコストとコストの変動要因、代替手段

なかでも、コストの変動要因について押さえておくことが重要です。現状でコストを算出したとしても、要素価格の変動が激しい場合や、調達先の経営状況の悪化などで生産コストが急増する場合があります。代替手段を明確にしておくことで、融資元からの信用を向上するきっかけとなります。

全てを押さえるためには創業者の知識だけでは書けない場合がほとんどです。必要に応じて、専門家に相談するなどして書きましょう。

収益予測・計画

ここまで来てようやく、融資元が重要視する収益の予測・計算ができます。製品・サービスが戦う場所や優位性、それらを作るコストと体制、見込み顧客に知ってもらう拡販戦略。これらの一つでも欠けていたら収益の予測・計画が不十分ですよね。

収益の基本は、売上高(収入)からコスト(経費)を引いたものです。売上高を見込むためには、今までに挙げた市場規模や優位性、価格などの根拠がないと見込めませんし、コストを見込むためには変動要因、生産体制、生産コストなどの根拠がなければ見込めません。

しかし、これまでに挙げた内容を既に明確にしていれば収益の予測は見込み売上高から見込みコストを引くだけでできてしまいます。計画については変動要因を加味しながら作りましょう。

資金がいくら必要なのかを明確にする開業資金

融資を受けるにあたっては、何のためにいくら必要かを明確にする必要があります。

では、希望融資額はいくらに設定したら良いのでしょうか?まずは、融資を求める時のコストの種類を以下に示します。

  • 事業を始めるために必要なイニシャルコスト
  • 事業を継続的に回すために必要なランニングコスト
  • 事業規模を拡大するために必要なコスト

創業者の場合、イニシャルコストとランニングコストが必要です。製品やサービスをつくる生産体制の構築に必要なコスト、拡販するためのコストがイニシャルコストです。製品・サービスを作り続けるコストがランニングコストになります。ランニングコストは、1年という長い単位ではなく、1ヶ月単位で考えましょう。

イニシャルコスト+1ヶ月のランニングコストで、事業体制を構築して1ヶ月事業を継続するために必要なコストが算出できました。しかし、1ヶ月のランニングコストだけでは2ヶ月目の資金が足りずに事業を継続できません。

融資希望額の目安となるのは、基本的に3ヶ月分です。それより長い期間の融資希望は受け入れられないことが多くあります。

よって、イニシャルコスト+3ヶ月分のランニングコストを融資希望額にしましょう。そうすることにより、明確な根拠から算出された妥当な融資希望額として認められる確率が高くなります。

しかしながら、その融資額で事業を開始したとしても、1ヶ月分のランニングコストを収益としてあげられなければ、事業を継続できません。注意しましょう。

良い事業計画書の条件とは

これまでに解説したポイントを押さえていれば、明確な根拠で作られた良い事業計画書になっているはずです。

一度作り終えたら、以降で挙げる視点でもう一度見返してみましょう。

他人が事業の概要を説明できるか?

素晴らしい事業計画書も、多くの人が長い時間をかけて読んでくれることは現実的に期待できません。そのため、事業の概要で必要なポイントを押さえて簡潔にわかりやすく書けているかをチェックしましょう。

事業計画書の作成者本人がチェックするのは当然ですが、可能ならば知人などにお願いして理解してもらえているかを逆に説明してもらうと良いでしょう。そうすることで、誰が見ても簡潔に短時間で理解できるかをチェックできます。

本当に達成可能なのか?

計画というものは、多くの場合、難しいことでも簡単に達成できるというように思いこんでしまいます。もう一度チェックしておきましょう。

これに関しても、他人に読んでもらって疑問を抱かないかチェックしてもらうとより効果的です。

『見込みが甘い』と言われて融資を断られないために重要です。十分チェックしましょう。

内容の検証が十分であるか?

事業計画書内では、あらゆる根拠を示しているとは思いますが、その根拠は本当に正しいでしょうか。根拠の基になるデータが実は10年前のデータであったりしませんか?データの対象範囲が極端に狭く、あまり信頼できないものだったりしませんか?

これらが不十分であると、『見込みが甘い』『検証不十分』と融資元から断られるきっかけになってしまいます。

事業計画書作成における注意点

事業計画書は主に、融資や投資を受ける時に利用しますが、他にも従業員などのパートナー、見込み顧客、既存顧客に読んでもらうと効果的です。

そこで、製造スタッフに見てもらいたいのに、事業のビジョンのことやマーケティング戦略の部分ばかり書いていても製造スタッフにとって価値はそれほどありません。

事業計画書を読んでもらう相手が誰なのか、それで期待する事は何かによって、書き方は変えなければなりません。

例えば、従業員向け事業計画書、私たちの事業に興味を持ってもらった他企業様向け事業計画書などのように、それぞれに応じて作っておくと良いでしょう。

誰に読んでもらうのか、何を目的として読んでもらうのかを意識することが重要です。

事業契約書まとめ

  • 事業計画書は融資を受けるために必要不可欠
  • 事業を成功させるためにも事業計画書は必要
  • 事業計画書に書くべき事とその理由、書き方
  • 事業計画書作成における注意点

事業計画書とは何かについて理解いただけましたでしょうか。最後まで読んでいただいた方は、融資や投資を受けやすい事業計画書を書けることでしょう。

事業の成功には事業計画書が必要不可欠です。もしお困りごとありましたら、ご相談ください。

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