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【チェックリスト】会社設立時の検討事項

会社設立時は考えるべきことが沢山あります。

しかしそれ故に見逃しも多く、最初からこうしておけば・・・などと後悔をする人も多いのが実情です。

そこで、この記事ではそんな見逃しが無いよう、会社設立時に検討すべき事柄を一気にまとめました。

具体的な注意点まで網羅しているので、初めての人は読むだけで経営の勉強にも繋がる内容となっています。

またチェックリストとして順を追って内容を決めていけば、完璧なスタートダッシュが切れるようになるはずです。

それでは是非最後までお付き合いください。

検討事項1.事前に確認すべきこと

それではまず、会社を設立するにあたって事前に確認すべき点から押さえていきましょう。

ここでは以下6点について説明していきます。

  • 個人事業主と法人ではどちらで起業すべきか
  • 株式会社と合同会社はどちらにすべきか
  • 助成金、補助金で使えるものはあるか
  • 創業融資を考えて設立準備しているか
  • 必要な許認可はあるか
  • 銀行口座の開設はどうするか

会社を設立すること自体はさほど難しくありませんが、計画的に進めなければ損をするケースも出てきます。

まずはその計画に抜けは無いか、詳しくみていきましょう。

個人事業主と法人ではどちらで起業すべきか

起業の際、最初に考えるべき事柄として、個人事業主と法人のどちらで事業を始めるべきかという問題があります。

結論から言うと、基本的には利益額が大きいと見込まれる場合は、法人の方が得となるケースが多いです。

これは個人事業主が課税される所得税の税率と、法人が課税される法人税等の税率が、あるところを境に逆転するためです。

まずは所得税について考えていきましょう。所得税の計算フローは次のようになります。

所得税=(所得-所得控除)×所得税率-税額控除

個人事業の場合、収入から支出(経費)を引いた額が所得です。累進課税の仕組みが取られており、所得に応じ税率が変化していきます。

所得税率
195万円以下5%
195万円超~330万円以下10%
330万円超~695万円以下20%
695万円超~900万円以下23%
900万円超~1,800万円以下33%
1,800万円超~4,000万円以下40%
4,000万円超~45%

ここから更に復興特別所得税の2.1%が加算されます。

次に法人税等をみていきましょう。

法人税等は、法人税+地方法人税+法人住民税+法人事業税+地方法人特別税の5種類からなります。

各々を計算すると複雑なので、法定実効税率という、この5つを合算した際の税率を見ていきましょう。

すると、税率は次のようになります。

 2019年12月決算2020年12月決算
外形標準課税適用法人30.62%30.62%
中小法人(標準税率)33.59%33.59%
中小法人(超過税率)34.59%34.60%

※東京都23区内の場合

企業規模によりますが、おおよそ税率は30%強であることがわかります。

つまり、所得が900万円を超えたあたりからは、法人税等として徴収された方が税金が安いことになるわけです。

その他にも、法人では節税の幅が広がることもメリットとして挙げられます。

具体的には次の3点です。

2点目は役員報酬として会社の所得を減らしつつ、個人の給与所得控除分を圧縮できる点です。

個人事業主では事業利益の全てに課税されてしまいますが、法人では役員報酬も損金として処理した後に課税されます。

仮に事業利益900万円が手元に残ったとすると、個人事業主では全額課税。

法人の場合で900万円が役員報酬とすると事業利益はゼロとなるので、かかるのは法人住民税の均等割り分くらいです。

そして役員報酬分の900万円は個人の給与所得として、給与所得控除後に所得税が課税されます。

つまり、この給与所得控除分が課税対象とならず、納税額を減らすことができるのです。

2点目は赤字の繰越控除可能期間が長くなることです。

個人事業主では3年ですが、法人では9年間(事業年度によっては10年間)繰越が可能となります。

赤字額が大きい場合、繰越控除可能期間が短いと全額繰越できない可能性も出てくるので、長い方が節税効果が高いと言えます。

最後の3点目は、従業員の退職金が損金として認められることです。

個人事業主では従業員に対する給料、および賞与は損金計上できますが、退職金はできません。

一方、法人では退職金も含め損金計上できるので、この点でも法人の方が節税幅が広いといえます。

また次の3つのケースでも、法人化によって節税を図ることができます。

1つ目は、消費税の課税事業者となるタイミングで法人成りするケースです。

消費税は個人・法人共に、以下いずれかの条件を満たすと課税事業者となります。

  • 2期前の課税売上高が1,000万円を超えた場合
  • 上半期の売上高、または給与が1,000万円を超えた場合
  • 資本金が1,000万円を超えている場合
  • 自ら課税事業者を選択した場合(仕入高>売上高となるケースでは、課税事業者を選択することによって消費税の還付を受けられる)
  • 大企業(課税売上高5億円超)から過半数の出資を受けている場合(※法人のみ)

つまり、上半期の売上高が1,000万円を超えない限りは、2期は免税事業者となることができるのです。

この課税事業者となる3期目のタイミングで法人成りすれば、再び2期は免税事業者となり、計4期分の消費税を節税できることになります。

2つ目は不動産経営を行うケースです。

個人で不動産売買をして利益が出ると譲渡所得となるので、5年以上の所有で22.1%、5年未満の所有で41.1%がかかります。

しかし、法人であれば上述の通り法人税等の30%強で済む他、損益通算できるので利益を圧縮することも可能です。

また減価償却によって、不動産を購入してすぐの頃はキャッシュを残しつつ赤字にし易くなります。

この分も最長10年に渡って赤字を繰越控除できるので、法人化のメリットはかなり大きいと言えるでしょう。

最後の3つ目は、相続税の対策をするケースです。

個人の資産は、売却などの手続きを踏めば法人へ移すことができます。

法人の価値は株価なので、この理論株価を下げることができれば、相続する資産を圧縮することができるというわけです。

かなり具体的なケースとなりますが、法人化によってさまざまな節税ができることはお分かりいただけたかと思います。

一方で、個人事業主の方が優遇されている部分も存在します。

それが交際費の計上です。

法人の場合は資本金が1億円を超えると、例え業務上必要な交際費でも損金計上することができません。(※1人あたり5,000円未満の飲食代は、会議費として損金計上可能です)

資本金1億円未満の法人では、最大800万円までの交際費が損金計上できます。

一方、個人事業主では交際費を上限無く損金計上可能です。

あまり無いと思いますが、交際費が極端に必要となる事業の場合、法人化せず個人事業主のまま事業をする方が得となるケースもあるでしょう。

いずれにしても、最終的な所得がどの程度の金額になるのかによって、個人事業主か法人かを選んでみてください。

株式会社と合同会社はどちらにすべきか

法人化して事業を行うと決めた後、再び迷うことになるのが株式会社と合同会社、どちらにすべきかという問題です。

結論からいうと、より社会的信用度を得たい場合や、エクイティ(株式の追加発行による増資)での資金調達を考えている場合、上場やバイアウトを考えている場合には株式会社にすべきです。

逆に節税などが目的の場合は、合同会社で問題無いでしょう。

そもそも合同会社とは、経営者と出資者が同じで、出資者全員が有限責任(会社が倒産した場合でも、出資金以上は債務に責任を負わない)社員である会社です。

2006年5月1日の会社法施行によって、有限会社に代わる形態として生まれました。

合同会社は次の点でメリットがあります。

  • 設立時の登録免許税が、株式会社(15万円)より安価な6万円
  • 株式会社でいう役員の任期が無く、登記変更の費用がかからない
  • 利益配分は出資者全員の合意によって自由に決められる
  • 決算公表の義務が無く、監査役なども置く必要が無いため、年次費用を抑えられる

逆にデメリットは次のような点です。

  • 代表が「代表取締役」ではなく「代表社員」であったりと、相手先企業によっては取引を制限される場合がある
  • 社員が退職する際は持分の払い戻しや譲渡が必要で、持分の払い戻しを行う場合は資本金が減少することになる
  • エクイティでの資金調達ができず、上場もできない

近年は親会社が外資系の場合などで、大企業でも合同会社の形態を取る企業が増えてきました。

上述したメリットとデメリットさえ理解しておけば、合同会社でも問題無いケースがほとんどでしょう。

助成金、補助金で使えるものはあるか

会社の設立や運営にあたっては助成金や補助金を最大限に活用することで費用を最大限抑えることも大切です。

まずは助成金と補助金の違いを簡単に説明しましょう。

助成金とは、特定の要件を満たすことによって、国や地方自治体から貰えるお金のことを言います。

申請内容に不備が無ければ支払われるもので、返済が不要という点が大きなメリットです。

一方で補助金とは、特定の支出に対して、国や地方自治体から貰えるお金のことを言います。

こちらも返済不要のものですが、補助金としての上限予算が決まっているので、件数に制限があったり、選考が必要だったりするものもあります。

また補助という言葉の通り、支出に対して3分の2や2分の1といった一部だけの支給というのも忘れてはならないポイントです。

次からは主要な補助金や助成金について紹介していきます。

創業補助金

創業補助金とはその名の通り、創業にあたって必要となる費用の一部を補助してくれるものです。

アベノミクスにおける注目政策の一つで、特定の要件を満たしている企業に交付されます。

年度によって名称などは異なりますが、要件は概ね次の通りです。

  • 「新たに創業する者」であること
  • みなし大企業でないこと
  • 日本国内に居住し、日本国内で事業を興すこと
  • 事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れること
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村における創業であること
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村、又は認定連携創業支援事業者から認定特定創業支援事業を受ける者であること
  • 訴訟や法令順守上の問題を抱えている者ではないこと
  • 応募者又は法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。また反社会的勢力との関係を有していないこと

対象となる支出は事務所などの賃料や人件費、広告宣伝費、設備費などかなり幅広く認められていますが、車やパソコンといった汎用性の高いものはNGです。

補助内容も年度によって異なりますが、金額は対象支出の2分の1まで、上限200万円というのがここ数年の流れです。

利用しやすい補助金の1つなので、創業間もない人は是非利用してみてください。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は日本商工会議所が主体となって行っているもので、主に販路開拓に関する費用の一部を補助してくれるものです。

対象者、および補助率は次のようになっています。

  • 対象者:商工会議所地区で事業を営む小規模事業者
  • 補助率:補助対象経費の3分の2以内
  • 補助上限:原則50万円まで

こちらも毎年行われている利用し易い補助金なので、是非検討してみてください。

東京都中小企業振興公社の創業助成事業

東京都では東京都中小企業振興公社が創業助成事業というものを行っており、これが創業補助金と同様の役割を担っています。

対象支出なども創業補助金とほぼ同じで、賃貸料や広告宣伝費、設備費などが該当します。

対象者、および補助率は次の通りです。

  • 対象者:都内で創業を具体的に計画している個人、または創業5年未満の中小企業者等のうち、一定要件を満たす方
  • 補助率:補助対象経費の3分の2以内
  • 補助上限:300万円まで

こちらの方が補助上限額が高いのが特徴です。

東京都は他の道府県に比べ使える補助金や助成金も多いので、登記する際は場所もよく考えるようにしましょう。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金とは、労働者と企業が3ヶ月間の有期で雇用を結ぶトライアル雇用に対して、厚生労働者から支給される助成金です。

内容は「一般トライアルコース」「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」「若年・女性建設労働者トライアルコース」の3つのコースに分かれており、それぞれで助成金額なども変わります。

労働者や事業者の要件を全て記載すると長くなってしまうのでここでは割愛しますが、一般トライアルコースでも一人あたり最大5万円×3ヶ月分が支給されます。

書類記入などの手間はかかるものの、労働力を確保しながら資金を得られるというのは大きなメリットです。

雇用を考えている場合は、積極的に活用すると良いでしょう。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、従業員に対する処遇改善などを行うことによって支給される助成金です。

内容としては次の7コースに分かれています。

  • 正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

こちらも長くなるので詳細は割愛しますが、それぞれのコースで要件や助成金額が変わります。

事業主側は全コース共通で、次の5つの条件を満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入した事業主であること
  • キャリアアップ管理者がいること
  • 所轄の労働局長の受給資格の認定を受けること
  • 期間内にキャリアアップ計画を履行すること
  • 対象労働者の法定帳簿を整備・保管していること

キャリアアップ助成金は、比較的利用し易い助成金の一つです。

トライアル雇用助成金と合わせて、活用してみてください。

創業融資を考えて設立準備しているか

起業するにあたっては、必ずキャッシュフローがプラスになるよう事業計画書を練りましょう。

その中で避けて通れないのが資金調達です。ビジネスを加速させるためには、事業に対する投資が必要不可欠となります。

資金調達としてまず最初に考えるべきなのが、日本政策金融公庫からの新創業融資です。

日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、民間金融機関では貸し出しにくい、創業間もない小規模事業者への融資も積極的に行っています。

新創業融資では、最大3,000万円の借入が可能です。しかも担保や保証人が原則不要となっています。

事業に失敗すると借金まみれとなり人生が終わるといったイメージを持っている人も多くいますが、新創業融資を利用すればそんな心配もありません。

もちろん、融資を受けるのはそれなりにハードルが高く、緻密な事業計画書の作成が必要不可欠です。

予め各都道府県にある中小企業支援センターなどで相談すると良いでしょう。

民間金融機関から融資を引き出すのも一つの選択肢ではありますが、必ずと言っていいほど担保や保証人を求められます。

それこそ事業に失敗したら再起が難しくなってしまうので、おすすめはできません。

やはり日本政策金融公庫から新創業融資が受けられるよう、専門家に相談しながら事業計画書を完成させてみてください。

必要な許認可はあるか

必ず自身が行う事業において、許認可が必要なのかどうかは確認しておきましょう。

業態によっては、法令で「許可」「認可」「登録」「免許」「届出」が必要になります。

これらは各々で申請先も違いますし、事業内容によっては管轄が複数にまたがる場合もあるはずです。

例えば中古車販売店だと所轄警察署へ古物商許可申請、保育所では福祉保健局へ児童福祉施設設置認可申請が必要となります。

許認可を受けるためには、主に3つの要件があります。

  • 定款に許認可に適した事業目的が記載されていること
  • 店舗や事務所などが、運営に必要な広さや設備を有していること
  • 資格や免許を有する従業員が、一定人数以上いること

許認可を得られなければ営業を開始することができません。

勝手に営業をスタートさせると、営業停止処分などの重い罰則を受けることもあります。

許認可は下りるまでに時間がかかるケースもあるので、早い段階から計画に組み入れ申請するようにしましょう。

銀行口座開設はどうするか

銀行口座が無いとビジネスをスタートさせることができないので、最低一行は確実に開設するようにしてください。

ネット銀行や信用金庫は、事業内容がしっかりしていれば創業間もない時期でも問題無く開設できるはずです。

一方、メガバンクと呼ばれる都市銀行では、ビジネスの実績を見られるケースもあり、単なる口座開設でもハードルは高くなります。

いずれにしても審査が通らないことがあるというのは、知っておくべき事柄です。

早い段階からすぐに申請し、まずは一行の開設を目指しましょう。

ここまでで、事前に確認するべき事項の解説は終わりです。次章からは会社名についての考え方を解説していきます。

検討事項2.会社名について

この章では、会社名について考慮すべき事柄を紹介していきます。

考えなければならないのは、次の4点です。

  • 会社名で使える文字、記号かどうか
  • ホームページの開設を考えているか
  • 同じ名前の会社は別に存在しないか
  • 商標登録されている会社名になっていないか

会社名は一度決めてしまうと、なかなか変更ができません。

最も慎重に決めるべきことでもあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

会社名で使える文字、記号かどうか

会社名では使える文字や記号が決まっています。

  • 漢字・ひらがな・カタカナ
  • アルファベットの小文字・大文字
  • アラビア数字
  • 一部の記号:「・(中黒)」「,(カンマ)」「.(ピリオド)」「‐(ハイフン)」「&(アンパサンド)」「’(アポストロフィ)」

記号は社名の先頭には使えず、ピリオド以外の記号は社名の末尾にも使えません。

また官公庁や公的機関、金融機関と勘違いさせるような名前も使用NGです。

あとは「株式会社」や「合同会社」といった、会社の種類を先頭か末尾に入れなければならないくらいで、さほど細かいルールはありません。

ただ特殊な社名やイレギュラーな文字配列は、会社の認知度を下げ取引においてもマイナスに働いてしまいます。

アルファベットが解禁されるなど規制は緩くなりましたが、会社名が与える影響についても十分加味して決めるようにしましょう。

ホームページの開設を考えているか

ホームページを開設するにあたって、ドメインが取得できる名前かどうかという点も重要なポイントです。

近年、ホームページは会社の信用をも左右する、重要なツールになっています。

これからビジネスを始めるなら、ホームページの開設はマストと言えるでしょう。

そんな大切なホームページにおいて、社名と同じドメインが取れないということは、ビジネスチャンスを失うことにも直結します。

できれば「.co.jp」「.com」「.jp」「.ne.jp」など、主要なドメインは全てを押さえられるものにしてください。

これらが押さえられる会社名なら、会社名での検索結果で自社ホームページを最上位に表示させることができるはずです。

ドメインがちゃんと取れるかという点も考慮し、会社名を決めましょう。

同じ名前の会社は別に存在しないか

同じ名前の会社が存在する場合は、避けた方が良いでしょう。

上述したホームページのことも含め、どうしても他社と誤認されるなどの機会損失が出てくるからです。

登記上の話では、レンタルオフィスなどで同一住所で無ければ、同一の社名を付けても問題はありませんし、後株と前株を変えれば、同一住所でも登記可能です。

しかし、そのような会社名を付けたところで、自己満足以外のメリットは殆ど無いでしょう。

他社と同じ会社名は避けた方が、後々トラブルもなくすみます。

商標登録されている会社名になっていないか

会社名は商標登録もされていないことを確認しましょう。

そもそも先ほどの同一社名の場合は、既に商標登録がされている場合もあるはずです。

商標登録されている社名をそのまま使い続けると、登録者から使用の差し止め請求を受け、社名変更を余儀なくされることもあります。

もしこの差し止め請求を無視し続ければ、損害賠償請求される可能性も否定できません。

商標登録をした人は、当該商標、および似た商標を独占的に使用する権利を得ることができます。

会社名としてでは無くても商標登録されていればその名称は使えないので、必ず確認するようにしてください。

商標は特許情報プラットフォームを使って調べることができます。

続いては資本金についての考え方や注意点について解説していきます。

検討事項3.資本金について

ここでは登記時の資本金をいくらにすべきか、そしてどのようなことに注意すべきか、という点を解説していきます。

ポイントは次の5点です。

  • 消費税の免税を考慮しているか
  • 銀行の融資に有利か
  • 資本金は会社が使えるお金
  • 資本金の振り込み方に問題は無いか
  • 現物出資を考慮しているか

資本金は多すぎても、少なすぎても問題が発生してきます。

各々詳しく解説をしていくので、是非参考にしてみてください。

消費税の免税を考慮しているか

消費税の免除を受けるためにも、資本金は1,000万円以下にすべきです。

「個人事業主と法人どちらで起業すべきか」の章で解説した通り、資本金1,000万円以上で会社を作ってしまうと、初年度から無条件で課税事業者になってしまいます。

せっかく2年間は免税事業者となれる資格を有しているので、最大限活用するに越したことはありません。

もちろん、節税のため不動産を資本金に組み入れたい、初期の設備投資にどうしても1,000万円以上がかかるといった事情があれば、仕方の無い部分ではあります。

そうでない場合、資本金は1,000万円以下で登記するというのが、一つの条件になってきます。

銀行の融資に有利か

銀行から融資を受けたい人は、あまり安い資本金での登記は避けた方が良いです。

創業間もない事業者の場合、資本金は銀行が融資を判断する際の重要なファクターとなります。

それは創業者の本気度をみるためです。

創業時に資本金を積んでいるということは、それだけ自身でも投資していることを意味します。

最初から他人のお金で事業を始めようとしている人と成功率が変わるのは明らかでしょう。

日本政策金融公庫の新創業融資では、「融資金額の10分の1以上の自己資本が確認できること」という要件もあります。(実際は自己資本の5倍くらいまでが、融資金額の上限となるケースが多いようです)

銀行からの融資における資金調達を考えている場合は、調達したい金額を逆算し、資本金を設定することが大切です。

資本金は会社が使えるお金

法人成りした場合などに特に気を付けて欲しいのが、資本金は会社のお金という点です。

法人格とは実体が無いものの、個人と同じ存在です。

創業時は出資の対価として会社の株式を取得しており、その出資したお金は会社のものになっています。

そのため、例え代表取締役であっても、役員報酬以外に会社から直接お金を得ることはできません。

法人との契約無しに勝手にお金を動かせば、それは特別背任や業務上横領といった罪となります。

一度出資した資本金は、出資者個人が自由に使えないということは覚えておきましょう。

資本金の振り込み方に問題はないか

会社設立時の資本金は、発起人総代(発起人が複数人いる場合の代表者)の銀行口座に当該金額を振り込むことが必要です。

法人の銀行口座は登記後でないと開設できないので、設立時は発起人個人の口座にその金額を振り込むことによって、本当に資本金があることを証明します。

発起人が1人であれば預け入れでも問題ありませんが、複数人の場合は振り込みにしないと本当にその人のお金かどうかがわかりません。

振込手数料がもったいないということもわかりますが、必ず振り込みで対応しましょう。

現物出資を考慮しているか

資本金は全て現金である必要は無く、出資者は車や不動産といった現物資産を、資本金に組み入れることもできます。

現物出資のメリットとしては、次の4点が挙げられます。

  • 現金が無くても発起人になれる
  • 資本金を増やせる(信用が上がり、融資も受けやすくなる)
  • 減価償却で損金処理が可能となり、節税に繋がる
  • 現金を使わず備品の調達が可能となる

逆にデメリットとしては、次の点が挙げられます。

  • 名義変更などの手続きに時間と費用がかかる
  • 登記時に定款への記載や調査報告書・財産引継書作成など、追加で用意しなければならない書類がある
  • 税金がかかるケースも出てくる(不動産取得税、自動車取得税、贈与税、譲渡所得税など)

特に注意しなければならないのは、現物出資の金額が500万円を超える場合です。

500万円を超えると、裁判所の選任した専門家(弁護士や公認会計士など)に出資物の価格の調査と証明をもらわなければなりません。

総じて500万円以下に収まるPCや中古車などは、手続きもさほど煩雑でなく、現物出資によるメリットも大きいと言えるでしょう。

次は事業年度についての考察です。

検討事項4.事業年度について

会社設立時には事業年度(決算月)についても、よく考えて決めましょう。

重要なのは次の4点です。

  • 納税時期を考慮しているか
  • 消費税の免税を考慮しているか
  • 決算作業を考慮しているか
  • 1年目の業績を考慮しているか

決算月は自由に決めることができるので、極端な話、初年度を1ヶ月だけにすることもできます。

ケース毎にベストな決算月は変わってくるはずなので、是非参考にしてみてください。

納税時期を考慮しているか

会社を設立するタイミングで、法人税の納税時期は把握しておく必要があります。

法人税は決算日より2か月以内に納税しなければなりません。

例えば3月末決算の会社の場合、5月末が納税期限です。(※上場企業など、申告期限を1ヵ月延長できるケースもあります。)

納税時期を1日でも遅れると、延滞税や加算税が発生してしまいます。

特に2年目からは中間納税も必要になってくるので注意が必要です。

法人税等は高額になるケースも多いので、しっかりと納税額も含めキャッシュフローを計算しておきましょう。

消費税の免税を考慮しているか

この記事で度々話題に上がる消費税ですが、事業年度を決めるにあたっても重要な要素となります。

先述の通り、設立から2期は消費税が免税となるからです。

個人事業主から法人成りする場合、消費税の課税事業者となるタイミングで会社を設立すれば、最大で4年間免税事業者となり続けられます。

差し迫って法人成りする必要性が無ければ、この消費税の課税事業者となるタイミングを見計らって会社を設立することをおすすめします。

決算作業を考慮しているか

事業年度年末は繁忙期とずらすようにしましょう。

税理士へ任せるにしても、決算作業が必要となるからです。

特に初年度は全ての作業が初めてで、調べたり聞いたりしながらの進めることも多く、思ったよりも時間がかかるといった声もよく聞きます。

直接売上や利益に関係の無い決算作業は、どうしても後回しにしなりがちです。

初めから繁忙期と重ならないようにし、まとまった時間が取れるタイミングを事業年度末に設定するといった工夫も必要です。

初年度の業績を考慮しているか

決算月は初年度の業績も考慮して設定しましょう。

2年目以降、銀行からの借入をするなら、初年度の業績は重要な指標となります。

逆に初年度は赤字決算にして、節税を目指すというのも一つの戦略です。

決算月は後からでも変更できますが、消費税のことなどを考えても、初年度の業績をある程度操作できるというのは大きなメリットです。

数年先を見据えた事業計画の元、決算月を決めるようにしましょう。

続いては本店所在地をどこにすべきかという点を解説していきます。

検討事項5.本店所在場所について

この章では本店の所在場所を考える上で大切なことなどを解説していきます。

内容としては次の4点です。

  • 銀行口座が作りやすい場所か
  • 立地は問題ないか
  • 自宅を本店所在地にすべきか
  • 定款にはどこまで記載するか

オフィスを借りるにしても、一度決めた本店所在場所の変更には手間と費用がかかります。

最初から失敗の無いよう、是非参考にしてみてください。

銀行口座が作りやすい場所か

本店所在場所によって銀行口座の開設にも影響が出てきます。

避けた方が良いのはバーチャルオフィスと呼ばれる、住所だけ貸してくれるサービスを利用することです。(シェアオフィスやコワーキングスペースは、作業場が提供されているのでバーチャルオフィスとは異なります)

そもそも銀行からすれば、頻繁に入出金があって、お金を借りてくれるのが良い法人です。

実態の無いバーチャルオフィスを利用する会社は、事業実態も無い会社とみなされ、相手にされない可能性があります。

法人成りの場合は、個人事業主として使っていた口座と同じ支店だと、開設しやすいと言われています。

支店は管轄が決まっているので、その管轄内を本店所在場所にすると良いでしょう。

特にメガバンクと呼ばれる都市銀行は、口座開設も容易ではない分、口座があるだけでも信用が高まります。

本店所在場所を決めるにあたっては、銀行口座をつくりやすいかという点も考慮してみてください。

立地は問題無いか

そもそも立地として、その場所が相応しいのかも考える必要があります。

取引先が東京に多いなら、移動コストを考えても地方にすべきでは無いでしょう。

また業界によっては、本店所在地によって箔が付き、取引がし易くなるといったことがあると聞きます。

最近ではイケてるスタートアップが集まるシェアオフィスというものもあり、そこに入ると投資家から資金調達がし易くなったり、横の繋がりから事業が円滑に進んだりというメリットもあるようです。

このように場所という環境は、想像以上にビジネスへ影響を与えます。

改めてその場所で良いのか、考えてみてください。

自宅を本店所在場所にすべきか

自宅を本店所在場所にするのはメリットとデメリットがあります。

メリットとしては、費用を抑えられるという点が一番です。

家賃や光熱費の一部を経費にできる上、事務所を借りる手間と費用を節約できます。

また出勤する必要も無くなり、通勤費を節約することもできるでしょう。

デメリットとしては、自宅を知られてしまうこと、信頼感が低くなること、人によっては怠けてしまうことが挙げられます。

特に金融機関は経営の透明性を重視するため、オーナーと会社がしっかり別になっていることを評価します。

自宅が本店所在場所になっていると、口座開設や融資で苦労するかもしれません。

これらのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、自宅を本店所在場所にすべきか否かを判断しましょう。

定款にはどこまで記載するか

定款に記載する本店所在場所は、最小行政区画まででOKです。

例えば東京都千代田区丸の内○丁目×番□号だと、「東京都千代田区」までとなります。神奈川県相模原市中央区淵野辺○丁目×番□号だと「神奈川県相模原市」ですね。

このように「本店所在地」までの記載にしておけば、同一市区町村内の移動では定款変更の手間が省けます。(移動だけなら取締役会の決議のみで可能ですが、定款変更では株主総会の決議が必要です)

定款には本店所在地までの記載に留めておきましょう。

続いては役員と株主について考えていきたいと思います。

検討事項6.役員・株主について

会社を設立するにあたっては、出資比率をどうするのか、役員としてだれを迎え入れるのかという点も、後々の運営を大きく左右する要素となります。

是非次の4点を考えてみてください。

  • 出資比率をどうするべきか
  • 節税できる構成になっているか
  • 役員報酬をいくらにすべきか
  • 非常勤役員を設置すべきか

特に出資比率については簡単に変更できるものではありません。

まずはここから詳しくみていきましょう。

出資比率をどうするべきか

会社を設立する目的やケースによって、最適な出資比率は異なります。

スタートアップでの共同創業者という位置づけの場合、必ずどちらか一方が多めに出資するようにしてください。

2人の場合だと50:50などととしがちですが、そうすると万一意見が割れた際、議決権が拮抗しているため何もできなくなってしまいます。

特別決議ができる、3分の2以上はどちらかに寄せるようにしましょう。

相続税対策で会社を設立するなら、相続人が100%株主になるようにしてください。

被相続人が株式を持っていると、それ自体も相続税の対象となってしまいます。

このように目的に合わせて、後々のリスクまで考慮した出資比率にしておくことが重要です。

節税できる構成になっているか

法人では家族を従業員として雇用することによって、節税することができます。

  • 所得を分散させることで、所得税や住民税、社会保険料の税負担を下げられる
  • 退職金を支給することによって、相続税と贈与税の対策ができる
  • 給与や賞与を損金算入することで、法人税を節税できる

特に累進課税となる所得税などは、創業間もない時でも高い節税効果を生み出せるでしょう。

配偶者控除や扶養者控除と比較し、どちらが得かよく計算してみてください。

ただし、みなし役員とされないよう注意が必要です。

税務署によってその業務が「会社の経営に従事している」と判断された場合、みなし役員とされ、給与が役員報酬の扱いになり、損金算入できない可能性が出てきます。

役員報酬となると一定の要件を満たさないと、損金として処理をすることができないからです。

また業務の実態が無い者を雇用し、給与を支払うことにも問題があります。

家族という点で税務署の目は厳しくなるはずなので、業務をしている証跡は残しておきましょう。

これらの点にだけ気を付けていれば、家族を従業員として雇用することにより、節税効果を生み出せます。

役員報酬をいくらにすべきか

役員報酬も適切な手順を踏めば、損金算入が可能となり法人税の節税に繋がります。

損金算入できる方法は、基本的に次の3つです。

  • 定期同額給与
  • 事前確定届出給与
  • 利益連動給与

長くなるのでここで各々の細かい解説は割愛しますが、大きなポイントとして、利益が多く出たから役員報酬も多めに貰おうということができなくなっています。

これを許してしまうと、毎期利益の全てを役員報酬にして、法人税の納税を逃れることができてしまうからです。

なので定期同額給与として適切な基準の額を毎月もらい、事前確定届出給与を業績目標が達成した時のみ支給するというのが王道の方法となります。

ただ社会保険料を考慮すると、同額の役員報酬を支払うのなら、事前確定届出給与(賞与)の割合を高くしておいた方が節税に繋がります。

役員賞与については、社会保険料の上限が定められているからです。

このあたりは会社のキャッシュフローも考慮し、上手く調整してみましょう。

いずれにしても、役員報酬は損金算入できるよう、要件をしっかりと守ることが大切になってきます。

非常勤役員を設置すべきか

家族については従業員として雇用する以外にも、非常勤役員として迎え入れ節税をする方法もあります。

特に非常勤役員は業務委託に近い形で設置することができるので、従業員として雇用するよりも管理は楽です。

しかし、先述の通り、役員報酬の額が大きくなればなるほど勤務実態をみられるようになるので、その業務内容に見合った役員報酬にすることが大切になってきます。

また、銀行からはオーナー企業にみられるという点もデメリットになるでしょう。

非常勤役員では登記簿に取締役として記載する必要が出てくるので、外部にその存在が公表されます。

大きな資金調達が必要となる場合は注意が必要です。

このように節税を考える上では、家族をどのような形で使うかという点もよく考えておきましょう。

次は定款を作成する際に重要な、事業目的について考えていきましょう。

検討事項7.事業目的について

定款に必ず記載しなければならないのが、事業目的です。

この事業目的に記載されていない事業は営めないことになっているものの、実際に会社法等に罰則規定は無いので、例え記載の無い事業を行っても刑罰に処されることはないでしょう。

しかし、事業目的の記載が無いと、不利益を被る場面も出てきます。

  • 許認可申請時
  • 金融機関や取引先からのデューデリジェンス(調査)時

逆に不要なものを書きすぎても、信頼を下げるだけなので注意が必要です。

では具体的にこの事業目的を見られるシーンを解説していきます。

許認可申請時

許認可の申請時は、事業目的に記載がないと許認可が下りません。

むやみやたら許認可を与えないためにも、事業目的は必ず見られます。

例えば「美容室の経営」を事業目的にしているのに古物商の許可を申請しても、何をするのかと怪しまれるだけですよね。

許認可申請時は、少なからず関連が見いだせる事業目的が記載されている必要があります。

金融機関や取引先からのデューデリジェンス(調査)時

銀行口座開設や、融資を受ける際も事業目的を見られます。

ビジネスにおいて「信用するに値するか」という点を確認するには、過去の実績やこうした書類から判断するしか方法がありません。

従って事業目的に記載が無いというのは、「何も考えていない」「ずぼら」などと見られても仕方がないことです。

逆にいろいろな事が書かれすぎているのも、「適当に作っていると」と思われマイナス評価となるので注意する必要があります。

現実的な将来を見越した上で、適切な事業目的を記載するようにしてください。

それでは最後の章として、それ以外に考えるべき点をみていきます。

検討事項8.その他

ここまで重要度の高いものをピックアップして紹介してきましたが、それ以外にも決めなければならない項目はいくつか存在します。

  • 公告の方法はどうするのか
  • 発行可能株式総数はどうするか
  • 会社設立日はどうするか
  • 取締役会は設置するか
  • 株式の種類はどうするか
  • 株式の譲渡制限はどうするか
  • 取締役の任期はどうするか
  • 社会保険の加入は考慮しているか

特に社会保険の加入以外の7項目は、定款を作成するにあたって記載しなければならない内容です。

詳しくみていきましょう。

公告の方法はどうするか

会社を設立するにあたっては、公告の方法について定款に記載しなければなりません。

おすすめは電子公告(インターネット)です。

そもそも公告とは法令上の定められている以下3点を、ステークホルダーに対し公にすることをいいます。

  • 債権者に向けた異議申述等公告(官報に公告する必要有)
  • 株主等に向けた通知公告(定款で定めた方法)
  • 決算公告(定款で定めた方法)

株主等に向けた通知公告(定款変更や株主割当増資などの通知)は、株主全員へ個別に通知をすれば違法になることはありません。

上場でもしない限りはこれで問題無いでしょう。

従って、決算公告の方法について考えることになりますが、圧倒的に安価なのが電子公告です。 種類 費用 官報 約6万円 日刊新聞 50万円以上 電子公告 外部の電子公告掲載サイトを利用しても、約300円/月程度

いちいち官報をチェックする人も少ないですし、それが信用に関わるケースなどほぼ無いと思いますので、費用の安い電子公告で十分ではないでしょうか。

発行可能株式総数はどうするか

1株あたりの金額と発行可能株式総数も、定款へ記載する必要があります。

ただ発行可能株式総数は後からでも変更できますし、増資の計画が無い場合はさほど気にしなくても問題ありません。

先述した通り共同創業者がいる場合は議決権に注意しなければなりませんが、1株あたりの金額は1万円~5万円、発行可能株式総数は発行済み株式数の10倍程度にしておくのが一般的です。

一方、増資の計画がある場合は、初めからそれを見込んでおいた方が良いでしょう。

例えば創業者Aさんが資本金100万円で100株持っているとします。(株価は1万円)

事業が順調に伸びていき、企業価値が1億円まで上がったとしましょう。(プレバリュー1億円、株価100万円)

ここで3,000万円の資金調達をする場合は、30株を追加発行する必要があります。

投資家Bさんによる引受が決まり資金調達が成功すれば、発行済み株式総数は130株、企業価値(ポストバリュー)は1億3,000万円です。

すると、議決権はAさんが100株÷130株≒77%、Bさんが30株÷130株≒23%に変化します。

エクイティによる資金調達はこのような流れになるので、最初から高すぎる株価に設定すると、早い段階で株式分割の手間が発生してしまいます。

また発行可能株式総数が少なすぎると、バイアウトなど考えた際に選択肢が狭まる恐れが出てくるわけです。(もちろん、後からでも変更はできますが)

このように最初から将来どうしたいのかというところまで踏まえ、1株あたりの金額と発行可能株式総数を決める必要があります。

会社設立日はどうするか

会社の設立日については、日本では縁起が良い日にするというのが一般的になっています。

縁起が良いとされるのは、次のような日があります。

  • 大安
  • 先勝
  • 天赦日
  • 神吉日
  • 一粒万倍日
  • 大明日
  • 鬼宿日
  • 寅の日
  • 巳の日
  • 新月
  • 満月

特に天赦日と一粒万倍日が重なるのが最高の日とされています。

ただ、会社設立日=法務局で書類を受け取ってもらった日となるので、平日しかチャンスがありません。

事業に支障が出るまで待つ必要は無いと思いますが、直近で良い日にちがあればそこを狙ってみてください。

取締役会は設置するか

取締役会は、企業規模が大きくなると設置をするのが一般的です。

そもそも取締役会とは、株主総会で選任された取締役3名以上で構成される会社の意思決定機関で、設置するかどうかは原則自由に決められます。

取締役会があると次のようなメリットがあります。

  • 事業の意思決定において都度株主総会を開く必要が無くなり、スピーディーな経営ができるようになる
  • 信用が高まり、融資や取引においてプラスとなる
  • 3ヶ月に1度は取締役会を開催する必要があるため、特定役員による専断行為を防げる

一方、デメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • 取締役3名以上+監査役1名以上が必要となり、役員報酬の負担が増える
  • 株主の決定権が減る
  • 株主総会を書面で通知しなければならなくなる

後述する公開会社(株式に譲渡制限が付いていない会社)にすると、取締役会の設置が義務になるということもあり、組織の拡大に伴って設置するというのが一般的です。

設立時は無理して設置する必要は無いでしょう。

株式の種類はどうするか

株式の種類についても、登記時から複数発行することができますが、通常は全て普通株式とする形で問題無いでしょう。

参考までに紹介すると、普通株式以外の種類株式では、次の9つの内容を組み合わせて作ることができます。

  • 剰余金の配当
  • 残余財産の分配
  • 株主総会の議決権
  • 株式譲渡
  • 会社への取得請求権
  • 会社の強制取得権
  • 会社の全部取得権
  • 決議の拒否権
  • 役員選任権

各々の説明は長くなるので割愛しますが、例えば配当の優先権と残余財産の分配優先権を組み合わせ、出資のリターンを確保しようとする投資家もいます。

ただ設立時においては、全て普通株式で不都合が出ることもそうそう無いでしょう。

せいぜい共同創業者がいる場合において、一部を議決権無しの株式にし、意思決定者を明確にするくらいで事足りると思います。

株式の譲渡制限はどうするか

会社を設立する時は、基本的に全株式へ譲渡制限を付けましょう。

一部でも譲渡制限を付けないと公開会社となり、次のメリットを享受できなくなります。

  • 株主総会収集期間の短縮(2週間→1週間)や、召集の簡略化(口頭でOK)
  • 役員を株主に限定できる
  • 監査役の業務を会計監査に限定できる
  • 売渡請求権による買戻しが可能
  • 発行可能株式総数の制限無し(公開会社の場合は4倍まで)
  • 取締役の任期延長(原則2年→最大10年)
  • 株券を原則不発にできる
  • 取締役会設置義務の免除
  • 決算書類において、個別注記の必要が無くなる
  • 相続時などにおける、売主追加請求権の拒否ができる
  • 譲渡承認を付け、他人に経営権を取られないようにする

一方で譲渡制限を付けることによるデメリットは次のものがあります。

  • 相続人等に対する売渡請求の規定があった場合、被相続人の株式が他の株主に買われてしまう
  • 株式買取請求権があり、2週間以内に返答が無い場合や、40日以内に買い取りをしなかった場合、株式譲渡が認められてしまう

このデメリットが表層化するケースは稀なので、会社を守る意味でも譲渡制限は必ず付けるようにしましょう。

取締役の任期はどうするか

原則は2年となりますが、最大10年まで伸ばすことができます。

ただし、これは上述の通り譲渡制限会社の場合です。

公開会社では2年となってしまうので、注意してください。

オーナー企業なら10年としておいて問題ありません。

社会保険の加入は考慮しているか

会社を設立すると、社会保険の加入義務が発生します。

具体的には健康保険と厚生年金の2つです。

これは社長1人であっても、報酬(給与)があれば加入しなければなりません。

原則として会社設立日から5日以内に管轄の年金事務所へ届出る必要があります。

忘れないよう注意してください。

更に従業員を雇った際には、雇用保険と労災保険も加入する必要があります。

このように、会社設立後は社会保険料を一定額用意しなければならないので、毎月設定した役員報酬や給与額の1.2倍位の金額が支出するというイメージは持っておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

この記事では会社設立時に検討すべき内容をまとめました。

もちろん、細かいところまで見れば足りないところもありますが、実務上この内容を網羅しておけば、問題になることはほぼないと思います。

上から順に決めていけば、より事業計画も鮮明になるはずなので、是非活用してみてください。

この記事で会社設立時の失敗が無くなることを祈っております。

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