株式会社設立による創業を考えた場合にまず資金の問題があります。自己資金だけでやるのか、やれるのか。出資については、
- 自己資金出資のみ
- 自己資金+パートナー出資
- 自己資金+外部提携企業出資
- 自己資金+パートナー出資+外部協力者出資
など、複数の方向の選択肢があります。自己資金だけではなくパートナーや協力者づくりの視野を入れた出資対策は、起業態勢を強化する意味があります。出資を依頼するために必要なツールに事業計画書があります。創業時の事業計画書としての創業事業計画書について説明します。
1. 創業会社設立での出資依頼の目的
(1) 事業パートナーとの共同出資や協力者からの出資を積極的に受け入れたい時
会社設立で、他者の出資を積極的なものと位置づける考え場合です。事業を専業で一緒にやるパートナーがいる場合は、双方とも取締役になり、どちらかが代表取締役となるのが基本でしょう。もちろんそれ例外の場合もあるでしょう。いずれにしても双方とも出資することが基本でしょう。
事業に専業ではやらないけれども、外部での協力者も出資依頼の対象になります。協力企業の経営者や個人としての知人などです。営業や技術での協力者で支援者の場合もあるでしょう。協力企業の場合は、事業の提携を通しての共通の利益目標があり位置づけが明確でしょう。個人としての協力者や支援者は創業企業の将来への期待感があり将来的に自分もその企業に参加したいとか、儲かりそうだから配当として利益を得たいとか、起業家を個人的に応援したいとかそれぞれの出資動機はあるでしょう。
また小口出資になりますが、創業時の社員となる人が複数いて、将来の幹部候補としての位置づけもあり、社員の持ち株制をとる場合もあります。持ち株制は社員の経営参加意識の点でモチベーションになります。
共同出資や協力者などからの出資は、創業企業の組織づくりでパワーアップさせる意味があります。
(2) 自己資金だけでは単に資金が不足している時
事業自体は単独で経営する考えですが、自己資金だけでは不足している場合です。経営に参加するのでもなく事業に関わるのでもないので、出資依頼は個人的な縁故関係中心となるでしょう。親・兄弟などの親族関係、親しい友人などです。個人的な支援者の位置づけです。
2. 創業会社設立での出資協力を得た場合の効果

1. での、事業パートナーとの共同出資や協力者からの出資を積極的に受け入れたい時に該当しますが、出資の意味は資金だけにとどまりません。経営資源の人・物・金・情報の中の金以外のすべてで協力してもらえる可能性があります。人は労力・能力・人脈などで、パートナーや協力者は自分を支えてくれます。物は商品の営業販売、仕入など、商品やサービスの事業内容自体に関わります。情報はビジネスの市場情報、マーケティングやノウハウ、アイデアに関わります。出資協力を得た場合の効果は極めて大きなものとなる可能性があります。
資金不足の場合の出資と融資の相違ですが、当然ですが融資では返済条件が期限付きで厳しく定められています。返済できない場合は連帯保証契約があれば社長などの連帯保証人が返済を迫られ、個人財産への差押えなどの危険もあります。担保が入っていれば取られてしまうリスクもあります。また当然利息が発生します。
一方、出資では出資者は有限責任で、株式の出資額以上の経営責任を負うわけではありません。企業経営者は株主に対して出資額を戻す義務はなく、赤字であれば配当の支払いの義務もありません。もちろん株主に対する責任はありますが経営改善の方向で努力することにつきます。もちろん株式の過半数は社長もしくは取締役の経営者陣が握っている場合です。起業家による創業期の小規模企業では、過半数株式は経営陣が握ることを前提として考えるのが通常と思います。
また融資は金融機関が行うため、当然ですが返済の可能性をみた手堅いものになります。起業家の経験や事業計画書を見ての判断になりますが、金融機関は事業計画を見る目も保守的です。新しいビジネスや誰も手掛けていない商品などについては、過去のデータがなかったり不十分なのは当然ですが、それらを見る目を持っていないでしょう。ベンチャーキャピタルなどでのコンサルタントとは違いますので、ベンチャー技術の判断力なども乏しいでしょう。また起業家の人柄もよくは知らないわけですから、情に訴えることも成功率は低くなります。
3. 出資依頼成功のポイント
創業期の会社設立での出資依頼の対象は、何よりも起業家がよく知っている人から始めます。出資依頼の対象は次のような人が考えられます。
- これから一緒に仕事をするパートナーで取締役候補の人
- これから一緒に仕事をする予定の取引先の経営者
- 今までの仕事で個人的に付き合いのある取引先などの人
- 今までの仕事で個人的に信頼してもらっている顧客
- これから一緒に仕事をする社員候補で経営参加意識のある人
- 仕事には直接関係していない知人友人、家族、親族など
やはり起業家の人脈の資産が活きる点が大きな要素になります。
出資依頼のポイントですが、前提として起業家の人柄を知っていることです。起業家は何もしなくてもただそれだけでポイントをクリアーしています。信用の基盤ができているのです。
次には、起業の動機、起業の思いについて伝えることです。仕事上の付き合いのない人には、説明がどうしても必要です。仕事上の提携関係を想定できる人は、相手がメリットがあれば当然検討してくれます。
「これから一緒に仕事をするパートナーで取締役候補の人」は、合意が得られれば一緒に事業計画を作成していく形で進めるのが良いでしょう。
「これから一緒に仕事をする予定の取引先の経営者」は相手のビジネスメリットがあれば前向きに考えてくれるでしょう。取引先予定企業から商品や材料を仕入れるなどの取引です。
「これから一緒に仕事をする社員候補で経営参加意識のある人」では創業期のメンバーとして将来社員を新たに採用した場合は指導的立場に立って欲しい、将来は幹部になって欲しいなどのモチベーションを与えていくのが良いでしょう。
4. 自分自身の創業計画の整理
事業計画書を作成する前に創業の企画計画、創業に関する考え方、ビジョンについて整理する必要があります。整理の様式に決まりはまったくありません。自由なメモでも結構です。
チェックポイントの整理の仕方では5W2Hから見ていく方法があります。
5W2Hとは、WHEN(いつ)、WHERE(どこで)、WHO(誰が)、WHAT(何を)、WHY(なぜ)、HOW(どのように)、HOW MUCH(いくらで)のことです。
(1) 創業の動機
5W2H のWHYにあたります。 どのようなキッカケで創業したいと思うようになったのか、今までの仕事でつかんだビジネスチャンスなど具体的な動機を整理します。この部分は人に説明する際にも原点になります。
例えば、自分の母親が要介護状態で自宅で車椅子生活をしていたが、住んでいた地域には介護タクシーがなく一般タクシーで病院までの送迎をしていたのが不便だった。その体験から自分で介護タクシー事業をやろうと思い立ったなどのユーザー体験の不満、不便さの解決などがあります。
また親戚の単身高齢者のいとこが突然倒れていると行政から連絡を受け救急車で病院へ運んだが、独身単身高齢者で3親等以内の家族がおらず病院入院でさえ身元保証人がいるとのことで自分がならざるを得なくなった。保証金も入れざるをえなかった。迷惑だと考えたがこれからの社会は単身高齢者が増え、家族関係・親族関係も縁が薄くなっており、これらの人のための終活支援(入院、介護施設入所、葬儀、納骨など)が必要にあってきたと認識し、終活支援ビジネスを始めたいなどです。
(2) 自分の強み、経営資源の分析
5W2HのWHATの前提になる部分です。
①自分の強みは何だろう?
自分の強みをあげます。技術や能力、キャリア、資格、資金、保有不動産などがあるでしょう。特に実務経験があることは事業計画の信頼性を担保します。 例えば、IT分野の特定の技術部分で最先端の仕事をしてきた、教育事業を通して得た経験でノウハウがある、医療機器会社勤務で得た病院医師との人脈がある、不動産ディベロッパーで得た開発ノウハウと業者ネットワーク・宅地建物取引士の資格を持っている、などの強みを整理します。
②経営資源の分析
人、物、金、情報に関する自分の経営資源を振り返ります。
- 人―人脈資産のとなりうる人をリストアップします。外部ブレインなどもあるでしょう。出資依頼の候補になります。
- 物―事業内容となる商品、サービスに関わる仕入、販売などのルートを持っているかどうかです。
- 金―自己資金はどの程度あるのか。事業パートナーと合わせた場合どの程度になるのか。
- 情報―ビジネスに関する直接的な情報をどのようなものを持っているのか、市場情報を持っているのか、顧客情報を持っているのか、事業者内部情報を持っているのか、などです。
(3) 事業ビジョン
5W2HのWHATにあたります。何をするのか、どのような事業をするのかということです。
当初の事業の内容を固めます。と同時により今後の起業家としての人生に関わることでもありより深く掘り下げて考える必要があります。事業には目的と目標があります。目的とは最終的にやりたいことです。目標は目的に至る過程で目指すものです。
①自分自身の事業の目的は何だろう?
最終的に自分のやりたいことは何だろうか?起業の夢の部分もあります。
人の役に立ちたい、社会の役に立ちたい、社会的に有名になりたい、事業で大ヒットを飛ばしたい、お金を儲けたい、企業を大きくしたい、などのモチベーションもあるでしょう。
②目的への至る道で目標として、最初の第1ステップでは何をするのか?
3年後5年後の第2ステップではどうなっていたいのかなどです。
(4) 営業方法などはどのようにするのか?
5W2HのHOWに関する部分です。営業方法を中心に製造方法、宣伝方法などです。
(5) 事業拠点はどこにするのか?
5W2HのWHERE(どこで)にあたります。
事務所を借りる場合の想定を立てたり、自宅創業を考えたりするなどです。複数のメンバーが仕事をするならば事務所は必要でしょう。立地、物件、賃貸費用、保証金などを検討する必要があります。店舗であれば資金がかかるため重要事項となります。
(6) いつ創業するのか?
5W2HのWHEN(いつ)にあたります。創業の時期の設定です。
(7) 資金はどの程度必要か?
5W2HのHOW MUCHにあたります。創業に必要な資金を想定します。
自己資金だけで行ける場合でも、先述した通り他者の協力を得るために出資を依頼する場合もあるでしょう。
5. 事業の優位性、独自性、市場性の構築
事業の成功のポイントになるのは、事業の優位性、独自性、市場性が構築できるかどうかが最重要ポイントです。前述した自分自身の整理の中の事業内容についてさらに検討を深めます。
(1) 事業の優位性
- 先行する他の類似の商品、サービスよりもどのような点が優れているのでしょうか?どのような点が魅力なのでしょうか?
- 先行する他の類似の商品、サービスとの価格は比較してどうでしょうか?
- 先行する他の類似の商品、サービスの消費者・利用者の不満はどのようなものでしょうか?また自分の事業はそれを解決している部分はあるでしょうか?
(2) 事業の独自性
- 先行する他の類似の商品、サービスと異なる事業のオリジナリティはあるでしょうか?またそれはどのようなものでしょうか?
(3) 事業の市場性
- 市場は先行する他の類似の商品、サービスと同じでしょうか?
- 新商品、新サービスでは顧客ターゲットはどのような人ですか?
- 顧客ターゲットとなる人たちはどの程度いるのでしょうか?対象の市場規模はビジネスが成り立つものですか?
- 今までにない商品・サービスの場合、アイデアが早すぎて市場ができていないことはないでしょうか?何かテストをしたことはあります か?
これらの部分は計画のコアになる部分ですので、プレゼンテーションではパワーポイントで作成した資料を使うのも良いでしょう。ビジュアルに表現しインパクトを高めるということです。
6. 創業事業計画書の構成
創業事業計画書自体に決まった様式はありません。日本政策金融公庫の創業融資制度の中で創業計画書という名前でサンプルが表示されています。もちろんこの様式に代えての申請も可能です。特に中心となる業務内容、商品・サービスの内容、商品・サービスの優位性、独自性や市場性についての記載スペースが限られており、プレゼンテーションツールとしては不十分と思われますので、別途パワーポイントなどで資料作成したほうがベターです。参考として日本政策金融公庫の創業計画書の項目を見てみましょう。
(1) 創業の動機
創業されるのは、どのような目的、動機からですか?
(2) 経営者の略歴
略歴ついては、勤務先名だけでなく、担当業務や役職、身につけた技能等についても記載してください。
- 内容
- 過去の事業経験
- 取得資格
- 知的財産権等
(3) 取扱商品・サービス
- 取扱商品・サービスの内容
- セールスポイント
- 販売ターゲット・販売戦略
- 競合・市場など企業を取り巻く状況
(4) 取引先・取引関係等
各取引先の名前、所在地、シェア、掛け取引の割合、回収・支払の条件、人件費の支払日など
- 販売先
- 仕入先
- 外注先
(5) 従業員
- 常勤役員の人数
- 従業員数
(6) 借入状況
- 借入先名
- 用途
- 借入残高
- 年間返済額
(7) 必要な資金と調達方法
①設備資金
- A.内訳事務所、店舗確保の資金で敷金、保証金、前家賃など、内外装費、設備・車両購入費、備品・事務用機器購入費などがあります。
- B.見積先
- C.金額
②運転資金
- A.内訳人件費、事務所・店舗賃借料、仕入費、原材料費、水光熱費、消耗品費、通信費、交通費、営業費などです。
- B.金額
③調達方法
方法と金額を書きます。
- 自己資金
- 親、兄弟、知人、友人からの借入
- 日本政策金融公庫からの借入
- 他の金融機関からの借入
(8) 事業の見通し
下記に付き、創業当初、1年後又は軌道に乗った後について書いてください。また売上高、
売上原価(仕入高)、経費について計算した根拠を書いてください。
- 売上高
- 売上原価(仕入高)
- 経費人件費、家賃、支払利息、その他 合計
- 利益
上記についてですが、創業当初ですので取引先や取引関係など記入できない項目もあると思います。また売上計画では商品・サービスの価格や販売数、販売方法も実際には必要です。別途計算しておく必要はあります。
<チェックポイント>
- 売上計画は実現可能な数字になっているか
- 必要経費に漏れはないか
- 営業、販売、宣伝の経費は妥当か。売上が不十分な場合の追加予算は想定しているか
- 利益計画は実現可能か
- 1年程度の資金繰りはできているか
- 採算に乗るのはいつからか
等を振り返りましょう。
「取扱商品・サービスの例」
■取扱商品、サービスの内容
「通勤・通学で学習可能な“スマホAI型―資格試験Eラーニングアプリ”の開発」
■セールスポイント
従来の資格試験学習方法では、通学講座、通信講座があります。通学講座は時間場所が限定され多忙なビジネスマンには受講が難しく、学生でも同様ですが学費が高いことも難点です。通信講座は紙ベースのテキスト、問題集セットやWebベースのテキスト、問題集などがあります。またメールやスマホでの問題演習もあります。しかしやや難関な資格試験になると問題数の不足もあり演習不足もあります。また問題演習もただ提供される問題をテーマべつにやるなど分からない部分を継続的に学習したりわかるところに戻ったり工夫が必要な点もあります。
学習する場所や時間の点で、忙しいビジネスマンでは効率的に学習する時間に乏しく、通勤時間の有効利用が必要です。しかし、ラッシュアワーの電車ではかさばるテキストを開くのはむずかしく、問題演習も現在のスマホでは改善の余地があります。
そこで次のような、スマホAI型―資格試験Eラーニングアプリを企画しました。
商品構成
①テキスト
記憶化の関係から紙ベーステキストは必要。ただし、通勤しながら電車内で片手で広げられる、システム手帳バイダー綴じ方式のカードテキストを開発。必要に応じて持ち運んで必要なページを片手で開き学習できるようにしました。
②講義
講義動画を多数用意し配信します。
③問題演習
資格試験の過去問、基礎演習問題をデータベース化し、問題演習し間違った問題についてはAI機能を整備し間違った問題の基礎問題からプログラム学習方式で出題します。また、再学習用のテキストページを指示します。
④問題配信
毎日の学習習慣が重要と位置づけ、毎日演習ノルマを設定し配信します。
■販売ターゲット・販売戦略
毎日通勤するビジネスマン、OL及び通学する大学生など インターネットによるキーワード広告、SNSでPRします。
■競合・市場など企業を取り巻く状況
インターネット活用の学習方法が主流になると考えられます。さらに、学習方法ではよりAI的な効率よい学習方法の開発が必要となると考えられ一歩先を行くサービスであると想定しています。先行他社よりも教育内容の点で優位性があり、問題のプログラム学習的配信でも優位性があると思います。
なお他社のサービス例は別途資料をご覧ください(略)。
7. 事業計画書実例サンプル
公的サイトでの事業計画書サンプルがありますので参考にしてください。
公益財団法人 東京都中小企業振興公社 TOKYO創業ステーション
スマートケア機器事業版
http://www.tokyo-kosha.or.jp/station/pdf/smartcare_sample.docx
ペットカフェ版
http://www.tokyo-kosha.or.jp/station/pdf/petcafe_sample.docx
整骨院版
http://www.tokyo-kosha.or.jp/station/pdf/seikotsuin_sample.docx
日本政策金融公庫
美容業
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei02_150401d.pdf
洋風居酒屋
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei01_150401c.pdf
中古自動車販売業
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei03_150401e.pdf
婦人服・子供服小売業
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei05_150401g.pdf
ソフトウェア開発業
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei05_150401g.pdf
学習塾
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei07_150401i.pdf
介護サービス事業
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei09_151002a.pdf
創業計画書フォーマット
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyou00_171010b.pdf
8. 出資者への利益還元の考え方
当初の出資依頼の対象は、起業家の周辺で起業家個人を良く知っている人が、信頼性が高いと考えられます。創業期の壁を突破する意味で共通の目標を持てる人と支えてくれる人です。しかし甘えは控えるべきでしょう。
黒字化できた時点で額はともかく配当をするなどの約束をすべきと思います。金銭とは別にお中元やお歳暮などを贈ったり、相手先の記念日や誕生日などのプレゼントなど気遣いも必要に応じてあると良いと思います。ビジネスとは無関係に支援してくれた家族や友人知人などです。
取引先には仕事を出し支払いを確実にすることでメリットを提供できます。
一緒に仕事をしたい、会社に加わりたいという人には、人により判断し入社してもらうなどの方法があります。
9. 融資申請にも使える事業計画書
出資を中心に説明しましたが日本政策金融公庫の新創業融資や地方自治体の信用保証協会提携の制度融資でも同様のものは使えます。融資であれば返済面での信用がカギになります。
出資依頼が思わしくいかない場合や金額が不足した場合、資金調達の一部を融資に切り替える判断が必要な場合もあります。
10. 税務会計事務所の事業計画書指導も
事業計画書作成で、資金計画全体や収支計画を煮詰める点で税務会計事務所の指導を受けることも考えられます。事業規模がある程度になったりすれば関係者への説得力も必要です。願望だけを反映した売上や利益計画になっていないか、客観的な目で見たらどうか、事業自体の採算性はどうかなど、第3者の眼で見てもらったり、またより確実な事業計画にするための指導も期待できます。
また融資の際には日本政策金融公庫や制度融資のポイントも指導してもらえます。
出資者に対しての配当など利益還元についても、税務会計事務所が関連していれば信用力も増すでしょう。
まとめ

すでに経営者として事業が軌道に乗っていて余裕がある人は、他の人の事業に興味があれば応援してくれる可能性はあります。余裕があれば他の人の夢を応援したい気持ちを持つ人もいるのです。人の役に立つ仕事であればなおさらそうです。クラウドファンディングなどの出資以外の形での支援もありますが、やはり社会性が高くボランティア型、非営利型の事業が多いでしょう。出資となるとトラブルが発生する危険性があります。特別おいしい話ではない通常のビジネスであれば見ず知らずの人が簡単には出資してはくれないでしょう。まず身近な人からです。事業がある程度軌道に乗ってきてさらに事業を拡大するなどの段階になれば、実績を数字で示せます。また資本に関係なく事業自体に集中していけば展望は広がります。