ビジネスを成功させた起業家は、「誰も思いつかないようなアイデアで成功している」と思われがちですが、起業成功に必要なものはアイデアだけではありません。ビジネスは優れたアイデアだけで成り立つものではないのです。言い換えれば「アイデアマンでなくとも、ビジネスはできる」ということ。
この記事では、起業家がビジネスで成功するために、アイデア以外で着目したい4つの点を紹介します。「起業してみたいけれど、アイデア力に自信がない……」というあなたこそ、本記事で紹介するポイントを重視してみませんか?
起業成功のカギがアイデアではない理由

ビジネス本や起業家の自伝、インタビューのなかで登場する『アイデア』という4文字。今までありそうでなかったビジネス、誰も思いつかなかったビジネスを思いついた人こそ、成功する人だというような表現も多く見受けられます。
しかし、アイデアひとつで成功するとは言い切れません。一見、画期的なアイデアのように感じるビジネスでも、競合がいない分野で勝負をしていたり、基盤のビジネスがあったからこそ思いついたりと、何かしらバックグランドは存在するのです。
アイデア力だけを切り取って成功秘話をながめてしまいがちですが、成功者ほどアイデア以外のポイントに力を入れています。大半のビジネスは「努力を積み重ねた」からこそたどり着いたといえるでしょう。
だからこそ、これから起業をしたいと思っている人は、アイデアばかりに着目しなくていいのです。逆にアイデアを重視しすぎると、行動を起こすまでのハードルが上がり、目標達成への道が遠のきます。
起業成功のために注目したい4つのポイント
これから起業する人がビジネス戦略を練っていくために、アイデア以外で重視したいポイントは4つです。
- 人の役に立つビジネスか
- 柔軟な発想で市場を見つけよう
- 仮説を立てて、立証すること
- 自分で切り拓く起業家精神
このポイントを踏まえて行動すれば、あなたが起業で失敗するリスクを下げられます。具体的に解説していきましょう。
1.人の役に立つビジネスであるかどうか

ビジネスを始めるとき、あなたは何を重視しますか?「できるだけ利益が出ることをしたい……」「リスクが少なくて今ある資金で、はじめられるものがいい……」人それぞれ、重視する点は異なるでしょう。
しかし、いちばん忘れてはいけないのは『ビジネスの本質』です。ビジネスの本質とは、人の役に立つ価値を提供すること。
- 今まで悩んでいた肌荒れが治った
- 生活で不満があった点が解決した
- 子育てするときの悩みがこのアイテムで半減された
などなど。消費者は自分の悩みや不満を解決するために、お金と価値を交換します。となると、ビジネスは自然と「誰かの役に立つサービスを提供する」ものだと定義できますよね。
ビジネスにおけるアイデアは、「どんな人の悩みを解決して、どんなメリットをもたらすのか」明確でない限り、画期的な発想でもビジネスとして成り立たないのです。 「なかなかアイデアが思いつかない、考えられない」と悩んでいる人こそ、どんな人のどんな悩みを解決するビジネスをはじめたいのか見直してみましょう。ターゲットを想定することで、価値あるアイデアを考えやすくなりますよ。
2.柔軟な発想で市場を見つけよう
「ニッチな分野は競合が少ないため、戦いやすい」ここ数年、ランチェスター戦略やスキマ市場に着目したマーケティング理論を多く見かけます。たしかにライバルが少なく、マニアックな市場をもっている人は起業でも成功しやすいでしょう。しかし今から起業する人にとってはニッチな分野を発見すること自体、難易度が高いです。
だからこそ、柔軟性のある考え方で導線を複数もつことをおすすめします。ひとつの分野にこだわらず、間口を広くもっておけば、あなたのチャンスも広がりが生まれるのです。「ぜったいこうありたい!」という意志もときには必要となるでしょう。しかし起業家に大切なのは、変化を恐れないことです。
トレンドや状況に応じて、変化をしていく。そして得た情報を柔軟に飲み込んでいく。これの繰り返しこそ、あなたが戦える市場を見つけるポイントです。
あなたが成功する戦略に必要なのは、アイデアではなく情報にあります。アイデアマン型でなくても、情報にハングリーであるなら起業家向きです。世の中の動きや心理を貪欲に観察して、無駄なこだわりを捨てましょう。そうすれば、あなたが成功するビジネスプランを見いだせるはずです。
3.仮説を立てて立証・検証すること

非の打ち所がないようなビジネスプランを立てたとしても、実現させるためには努力が必要です。そして、ただガムシャラに努力を続ければ実現するとも限りません。実践する計画に対して仮説を立て、それを立証・検証する必要があるのです。
過去の記事でPDCAサイクルについてお話しました。PDCAサイクルとは、計画・実行・チェック・改善の4つの工程を繰り返し行っていくことで、目標達成により近づける方法です。起業を志す方こそ、あなたの行動が目的にあっているものなのか検証するために、PDCAサイクルをもちいてみましょう。
4.自分で切り開いていく起業家精神
世の中には、あなたが想像している以上にたくさんのアイデアマンが存在します。アイデアが泉のように湧き出てくる天才もいるでしょう。
しかし、アイデアをもっているだけでは宝の持ち腐れです。アイデアを生み出せる人はいても、アイデアを実現するために行動を起こす人は10人に1人程度でしょう。また、行動を起こして最後までやり抜く人は100人に1人ぐらいかもしれません。。アイデアがあったとしても、アクションを起こして切り拓いていく人は世の中に少ないのです。
起業家に大切なのはアイデア力だけじゃないと言い切る理由もここにあります。アイデアを考え出せる人は、探せば見つかるのです。逆にそのアイデアを実現させる人は起業家タイプの人間くらいでしょう。だからこそ、「アイデアを考えられるような才能はない」と落ち込まないでください。起業家になりたいあなたに必要なものは、自分で切り拓いていく姿勢です。起業家精神をもって、ミッションに取り組みましょう。
起業成功のアイデアを考えるには?
起業成功のカギはアイデアだけではないとお伝えしましたが、一切アイデアが必要ないということではありません。もちろん、多少のアイデア、企画力も起業家には必要です。
では、起業成功のアイデアを考えるためにはどうすればいいのでしょうか? その答えはとてもシンプルです。国籍・性別・年齢・分野など、カテゴライズにとらわれず、さまざまな人、文化、情報に触れることです。
「こうでなくちゃダメ」「こうあるべき」という思考回路は、あなたの可能性を消耗させます。幅広い視野でさまざまな環境と触れ合うことで、今までにない想像力を養えるはずです。
まとめ
成功している起業家のほとんどが「最初から好調だった」というわけではありません。上がったり、下がったりと紆余曲折する道のりがあったからこそ、成功するビジネスプランを見つけられたといっても過言ではないのです。
どうしてもアイデアにこだわってしまいがちですが、まずは紹介した4つのポイントを重視して、行動を起こしてみましょう。