かつては、資本や人脈や経験がないことで、尻込みする人が多かった起業ですが、 SNSやYouTubeなどで簡単に情報発信ができるようになり、クラウドファンディングで資金調達も驚くほど簡単にできるようなりました。
いまや誰でもやる気と行動力があれば起業できる時代です。 様々な立場の起業の成功例を紹介しながら、絶対起業を成功させる方法をお伝えします。
起業に成功した人の全てがやっているたった1つのこと

起業に成功した人には共通点があります。
年齢や性別、経験や知識の差は全く関係ありません。
起業に成功した人は例外なく自分の強みを生かしています。
成功事例はあくまでも成功した当事者が強みを活かした結果です。 自分の強みを見極めないで、安易に流行に乗ったり、目先の利益だけに目が眩んで手を出してしまうと、後で取り返しのつかないことになります。
【危険!】常識や流行に囚われると逆に失敗が待っている
私の知り合いの60代で起業を計画していた男性がフランチャイズ契約をしたのは、エステサロンでした。
理由は儲かるから。
さすがにエステの経験も興味もない人が儲かるという理由だけで開業してもうまくいくはずがありません。 結局、1年も経たずに閉店しました。
自分の強みを見直すことなく、目先の利益を気にしていると、手酷い失敗が待っています。
大丈夫!誰にでも強みがあります
「そんなこと言われても自分には何の強みもないよ」 と思う方もいるかも知れません。
でも、心配しないでください。どんな人でも強みを持っているのです。
たとえば社会人経験のない学生は、社会人に比べると、経験も信用も知識も元手もありません。その分流行に敏感で、当事者だけに若者の声を聞いて、次に何が流行るかを見極めることができます。
一方、年配者は流行については疎くても、長年の勤務で培った経験と知識や人脈があります。
常識や流行に惑わされず自分の強みをしっかりと捕まえられる人だけが起業を成功させることが出来るのです。
起業を成功させる!ズラシ戦略のススメ

強みを生かすと言っても、そのままではうまく行かない場合もあります。
【駐車場綜合研究所】の代表取締役会長の大嶋翼社長は57歳で起業しました。
すすんで独立したわけではなく、経営者が交替したために社内体制が変わり、退社に追い込まれ、やむえず独立しました。
駐車場専門で30年以上の経験がある大嶋さんですが、以前の会社と同じ仕事なら顧客を奪ってしまうことになります。
「以前の会社のシェアを奪ってはならない」という業界のルールもあり、大嶋さん自身が業界内で名の知られた人物だけあって、以前の会社の顧客を奪うことはできません。 しかも自前で駐車場を持つ資金もありませんでした。
そこで大嶋さんは、駐車場ビジネスのコンサルティングからスタートさせました。
駐車場を直接経営して利用客をターゲットにするのではなくて、駐車場を経営する人を顧客に選びました。
事業領域をズラしたことで新しい活路を見出します。
日本政策金融公庫が2012年に行った調査によると、シニア起業家の8割がこれまでの経験を活かして起業をしています。
並木裕太著「ズラシ戦略 今の強みを別のマーケットに生かす新しいビジネスの新しいつくりかた」では、現在ある強みをそのままズラして、新しい販路を拡大した起業が紹介されています。
富士フィルムはもともとカメラのフィルムが主力商品でしたが、デジタルカメラの出現によってその役割が終わってしまいます。そこで、フィルム作りで培った技術を応用して、化粧品やサプリメントの開発を行いました。
富士フィルムの場合、フィルム作りの技術を強みにして、新たな市場に参入することに成功しました。
「ズラシ戦略」では企業の事例がほとんどですが、その戦略は個人でも充分応用できます。
ズラシ戦略がうまくはまるケースには2通りあります。
- 昔からある課題を新しい方法で解決する。
- 新しい課題を古い方法で解決する。
富士フィルムは【新しい課題を古い方法で解決する】手法で新しい活路を見出したのです。
【起業の成功例】コンプレックスから起業アイデアを発見!

ランジェリーブランド「feast」を立ち上げたハヤカワ五味さんは、自分にあったサイズのランジェリーが無いことが不満でした。
本来、下着の方が身体に合わせないといけないのに、身体が下着に合わせないといけない。小さい胸用のブラは品数も少なく、大きいサイズを小さくしただけのもので、胸の小ささが余計に目立ってしまうものでした。
疑問に思ったハヤカワさんは自分の欲しいランジェリーを開発しました。
「自分が欲しければ作る、人に何かを望むならまず自分から動く 」 の理念を持つハヤカワさんは、自分の欲しいものを作りたいと思ったそうです。
「feast」のビジョンは【ありのままの自分を好きになれる】です。 貧乳を品乳と言い換え、同じコンプレックスをもった女性に支持されています。
同じ悩みを抱える人は昔から多くいたはずです。 しかしながら肉体的コンプレックスにつながることから、声が上がりにくかった、ニーズが少なくて大手メーカーでは商品化されなかった。 衣服に対するニーズが多様化し、ネット販売が普及して全国から購入できるようになり、ニッチなニーズでもビジネスが成り立つ要因になりました。
「feast」は古くからあった悩みを新しい方法で解決できた成功例です。
【起業の成功例】高校時代に愛用した既存のアプリへの不満から独自のチャットアプリを開発!

スマホのチャットアプリ「NYAGO」を開発した株式会社Undefined(現在は株式会社Ceremonyに社名変更)の設立メンバーの創業時の平均年齢は21.6歳でした。
CEOの若月佑樹さんとCOOの渡邉健嗣さんは大学に進学せずに起業することを決意。 学生起業の中でも珍しいケースです。
「NYAGO」発案のきっかけは、メンバーが高校時代に愛用したチャットアプリへの不満からでした。
お互いに知ってはいるけど実際には話したことがない人、連絡が途絶えたガールフレンド、前は親しかったのに最近は会ってないクラスメイトに連絡する時にはメッセージを送りたくても、送信ボタンを押すのに勇気がいりました。
たった一言のメッセージでも親しい人はともかく、ちょっと距離がある人へ送るのは距離感が掴めなくて躊躇します。
相手が嫌な気分になったり、嫌われたりするのが怖い。届けたい人に気負いなく気負いなくメッセージが出来るチャットアプリが欲しい。
そこから開発されたのが送る人だけが匿名のチャットアプリでした。 しかも、痕跡を残さないように午前6時にメッセージは消去される仕組みです。
インフルエンサーのマーケティングを駆使して「NYAGO」がリリースされるとすぐに 1万人を超える登録者になりました。
さすがデジタルネイチャーだけあって、SNSでバズらせる技術にも精通しています。
既存の商品を新しい力で作り変えた成功事例です。
【起業の成功例】ライフスタイルに合わせた仕事がしたいママのための仕事紹介サービス

【ママ職】を創立した株式会社Capybaraの代表の山﨑恵さんは、第一子を出産後1歳になった時点で復職します。
しかし、保育園に預ける時に必ず大泣きして、3ヶ月経っても慣れませんでした。 結局、第二子の妊娠をきっかけに退職します。
仕事を辞めた後、生きがいを無くしてしまった山﨑さんはイライラを爆発させます。 2人の子供に当たり散らした後、自己嫌悪に陥るようになります。
会社ではいい仕事をすれば認められるのに、子育ては誰からも誉められません。 ゴールのないまま、こなしていくだけの日々。もっと社会とつながりながら、子育てができたら。
そんな悩みを解決するために抱きたのがママ、プレママ専門のため仕事紹介サービス【ママ職】でした。 子育て、家事に忙しいママのライフスタイルに合わせた在宅や子連れも大丈夫な仕事を紹介します。
【ママ職】の見事なのは、ママに仕事を斡旋する先を、創立したばかりのベンチャー企業や小規模事業に特化しているところです。
創業当時は小さな会社は常に人手が足りません。しかも、無名の小さな会社にはなかなか人材は入ってきません。
在宅秘書や経理やECサイトの管理など、小規模事業者が時間がなくて雑用を代行します。 経営者にとってもかゆいところに手が届くサービスで、しかもママも自由度のある働きができて、雇う人と働く人の双方が喜ぶマッチングができています。
これは、山崎さんがママ業をやりながら、会社経営をしているので、ママと経営者両方の課題を痛いほど分かっていたからです
【企業の成功例】ソーシャルディスタンスの時代に大需要の観劇専門のサブスクリプション

新型コロナの蔓延によって、俄然注目を浴びるようになった事業が株式会社ネクステージの「観劇三昧」です。
月額980円で、国内の210の劇団の演劇作品が動画視聴できる動画配信サービスです。 劇団の所在地のほとんどが東京、大阪などの大都市に集中しています。
日程が合わない、チケットがとれない、遠方で劇場までいけないなどの理由で、 観たくても観れないファンもたくさんいました。
そんな潜在ニーズを掴めたのも、福井学社長が年間300本も鑑賞する芝居好きだからこそです。 ソーシャルディスタンスが義務づけられてからは、スペースを確保するため、劇場の方も席数が少なくなり、満員になっても興行を黒字化するのは難しい状況です。
観劇するファンの方もますますチケット数が減り、都会への移動は感染リスクもあり、劇場が遠のいてしまいます
そんな状況で、「観劇三昧」は劇団側、観客側の双方を結びつける役割を担っています。
演劇の火を守り続けるプラットフォームとして今後も会員数が拡大していくでしょう。
「観劇三昧」の場合新型ウィルスの蔓延という新しい課題を既存の解決策をズラして成功したケースです。
起業を妨げる壁がなくなった!

金なし、スキルなし、顧客なし、人脈なし、信用なしでリスクだけがあると言われた起業でしたが、時代が変わって起業への障壁がなくなってきました。
資金がなければクラウドファンディングやキックスターターなどで開業資金を調達できます。
多くの企業では副業が解禁されて、本業の合間に別の仕事の経験と知識を獲得できます。
SNSが普及して、遠方の人でも、馴染みのない業界の人ともつながることができるようになりました。
どんなビジネスでも小さくテストすることができて、本格的にスタートを切る前に、いろんなテストを試すことができます。 そして、司法書士や税理士でも、小規模事業にも対応してくれる事務所も増えてきました。
起業で成功したいなら税理士に相談を!

起業の成功例を紹介しながら、起業成功のポイントを解説しました。
自分の強みを自覚して、ズラすことで起業のアイデアが見つかります
「ズラシ戦略」では【ズラシ】のコツは試し続けることと説いています。起業をする前に副業や週末起業で納得いくまで試し続けましょう。
最終的にプロジェクトを成功させるためには経営者の情熱が不可欠だと言っています。
やると決断を下したらどんな困難があっても、成功するまで情熱を貫き通す
最終的には経営者の情熱が起業の成功を左右するようです。
起業するとなかなか情報収集しづらく、経営に対して相談できる人も数少ないものです。信頼できる専門家と繋がりを持ちアドバイスをもらうことをおすすめします。
起業で悩んでいる方は、お気軽にきわみ事務所にご相談ください。